散歩の途中、野鳥を手のひらに乗せた人と出会う  2024,4,5ブログ

 きょうは、4月5日。入学式や始業式をする学校が多いだろうね。

 素敵な1年になるといい。

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 昨日の午後2時半過ぎ散歩に出た。シャツの上にベストを着ただけで家を出ようとしたが、少し寒いかなと思いセーターを着て歩き出した。しかし、すぐ暑くなった。

セーターを脱いで首に巻き肩からぶら下げた。

 最初に目に飛び込んできたのは欅の木。1週間近く前は、はだかん坊だったのに、この日はもう枝先全体が黄緑色の新芽でいっぱいだった。気持ちがいい。

 道端に目をやると、歩道のタイルの脇からタンポポが顔を出し金色の花を咲かせている。背はとても低いんだけど、辺りに光を放つように咲いている。

「おまえの根っこは深いんだろうな」

 と、つぶやく。

 

 東高根森林公園に入る。入り口にあった自動販売機で水を買おうとしたら「コトリ!」と音がしたのにペットボトルが出てこない。落ちてこない。

 管理事務所にいってそのことを話すと、「こちらでは対応できませんので、自販機の側に書いてある会社に電話してください」と言われる。

 仕方がないので電話した。担当者がやってくることはできないので、明日ぼくの携帯に、商品に変わるものを買うことができる連絡を入れますとのこと。

 水なしでコナラ林の丘に登り30分ほど小説を読む。

 この場所のコナラ林も、枝先に黄緑の新芽をつけ始めていた。

 

 丘の上の尾根道を少し進むと、年配の男性が一人立っていた。普段着。年齢は、ぼくと同じか少し年上か…。ジッと動かず前を見て立っている。一方の腕が何かを包むように前に差し出されている。

「おや!」

 と思った。よく見ると手のひらの上で何かが動いている。

「あっ、小鳥だ!」

 ぼくの足音を聞いたのか小鳥はパッと飛び去った。

 思わず男性に声を掛けた。

「今のは、ヤマガラですか?」

「ええ、そうですよ。ヤマガラです」

「野鳥が、人の手から餌を食べるなんて驚きました。こんな光景は初めてみました!」

 ちょっと興奮してぼくは男性に言った。

 その人は、ぼくの質問に快く答えてくれた。

「近くでヤマガラに餌付けをしている人がいたんですよ…。それでかな。シジュウカラはダメですね」

 そうなんだ。ヤマガラは人を恐れず手のひらから餌をもらうんだ! 

 いいものを見たなと思った。

 それから、ぼくがヤマガラを見たのは初めてかもしれない。

ヤマガラは日本にいる留鳥だという。また見たいなと思った。

 

 二か領用水に出る。ここは桜の名所の一つだろう。子連れの若い人たちが、用水脇の通路にシートを並べ花見を楽しんでいる。芝生で遊んでいる子どもたちもいる。

 高校生のグループもいた。女子生徒と男子生徒が10人くらい。学生服を脱いで白のワイシャツ姿になって会話している子もいる。笑い声が聞こえてくる。春だ。

 

 そんな風に歩いていると、携帯にメールが入った。

 新任教師のミチルさんからだ。明日が入学式や始業式だという。ちょっとドキドキしていると…。立ち止まって返信する。

 

 今日は、散歩の途中、いろいろな花を見た。

 公園やお寺の庭には、雑草のシャガやスミレ咲いていて、サンシュユは黄色くて小さな花をたくさんつけていた。道ばたの家々の庭先からヤマブキやレンギョウの黄色い花も飛び出していた。

 勿論桜は満開で、濃いピンク色の花桃もひときわ目立っていた。