1月のMカフェ ~冬のトピックと教室の「いじめ」のこと     2024,1,29ブログ

 1月28日(日)午前10時からMカフェを開催。

『Mカフェ』とは『M駅教育カフェ』の略。どちらの言葉も分かりにくいかもしれないけれど、集まる仲間たちは次第にそんな風に呼んでいる。

 9時50分、JR・M駅の改札口前広場に行った。

 耕一君と慎二君の2人が駅前広場の窓枠近くで仲良くお喋りしている。

「おはよう」

 と挨拶を交わした。一人の女性が現れた。

「ああ、裕美子さんだ! 久しぶりだね」

 鹿児島生まれの裕美子さんは、大学を出て関東近県のZ市で小学校の教師となった。「Mカフェに来ませんか」とお誘いしたら「行きます!」と返事が返って来た。会えてうれしい。会うのは5・6年ぶりだろうか。

 直子さんが登場。真っ白なダウンジャケットを着ている。あったかそうだ。

「先生、車を走らせてきました」

 120キロ先の町からやってきた。今日はお母さんの誕生日で妹さんを乗せて再びとんぼ返りをするという。妹さんは大学生。ぼくの家の近くに住んでいる。

 そこに、高校教師・修介君が登場。続いて、涼子さん、由紀さん、翔君、雅子さんがやってきた。さらに愛さんが加わる。愛さんは八王子から参加。2年ぶりかな。翔君と愛さんが顔を会わせて驚く。

「先輩、久しぶりです!」

 愛さんが言った。翔君は大学時代のサークルの1年先輩だという。

そこに藤田先生がいらした。昨日、研究会でお会いしたばかり。

駅前広場に、ぼくたちの作る大きな人の輪ができた。

「じゃあ、そろそろいつもの会場に行きましょう!」

 この日、会場では、少し遅れて啓太君や恵子さんもやってきて、総勢14名となった。

 

自己紹介…お正月や冬休みのトピックを交流

慎二君: 1年生を担任しています。2泊3日でおじいちゃん家に行った。おじいちゃん家は姫路。着いてから3日間はとにかく「食え~!食え~!」の連続。たくさんたくさん食べた。高校時代の友だちとも会った。彼らとはラーメン三昧。とにかくよく食べた正月でした。

翔君: 3年生を担任しています。1月1日、入籍しました!

⇒「オーッ! おめでとう!」とみんな拍手を送った。

 ⇒続けて1枚のチラシを配りながら翔君が言った。

 ぼくの妹なんですけど、国家公務員を辞めて同じ仕事をしていた連れ合いと外国に住み『オンラインヨガ』を始めました。よかったらヨガを楽しんでください。

裕美子さん: 3年生を担任しています。昨年結婚して、お正月には伊豆高原に行きました。温泉付きの部屋がとれてそこから星空を見て楽しみました。

愛さん: 昨年は2年生、今年は4年生を担任。いろいろ大変な子たちがたくさんいます。でも今年の子たちは教室を飛び出さないで、みんな座っている。そのことに驚いています。

 この冬休みは、韓国に行ってきました。どれくらい寒いかなと思って楽しみに行ったのですが、そんなに寒くなくて故郷の青森の方が寒いと感じました。

 ⇒あなたは、吹雪の中を高校に通ったんだものね。

耕一君: 国際教室を担当しています。冬休みは、北海道の大学時代の仲間が交流している『ダボハゼ』の学習会に参加しました。毎年、ここでみんなが自分の実践を語り合います。ぼくはレポートを作って報告しました。みんなが「すごいなあ。よくやってるよ!」って言葉をかけてくれて嬉しかったです。

 もう一つのトピック。1月7日でしたか、ぼくが自転車で神田川沿いの自転車道路を走ろうかなと思っていたら、山﨑先生から電話が来て教育の執筆を頼まれました。1月10日が締め切りだという。びっくりしました。

⇒ごめんね。でも緊急事態が起きてしまった。執筆してくれて本当に感謝です!

涼子さん: 1年生を担任しています。私のトピックですけれど、一つは、中学生の時からずっと年賀状に絵を描き、それをみんなに出し続けています。

 ⇒すごいね! 実はこの日お喋りしなかったけれど、ぼくも大学時代からこの歳になるまで、年賀状はずっと版画か絵を描いてそれを子どもたちや友人たちに出してきました。涼子さんにとても親近感を感じています。30台の半ばまでは12月25日に版画を彫り(ほぼ徹夜して)、1枚1枚印刷して、乾かし、翌日に言葉を書いて出していました。

 もう一つのお話。私の家は、各部屋に障子がたくさんはめてあります。年末になると障子の張替えを家族でします。破くのは父。私と母とで新しい障子紙を切り取って貼っていきます。これをすると何だか気持ちがいいっていうか…。それから、『タヌキの糸車』の物語を学習する時、この話を子どもたちにしてあげました。

 ⇒障子で『影絵遊び』ができるんだよね。懐かしい!

直子さん: S県M市の小学校で支援級を担当しています。今年は父の体調があまりよくなくてお酒が飲めませんでした。その代わりお祖父ちゃんと日本酒を飲みました。べろんべろんになるまで飲んで、翌日学校へ行ったり大変でした。日本酒『獺祭』を飲みました。

⇒ぼくはお酒の身じゃないからこの『だっさい』という言葉と漢字がわからずみんなに聞いて教えてもらったんだ。「カワウソ(獺)の酒って書くんですよ」と藤田さん。

修介君: H市の高校で英語を教えています。ぼくは、この冬、7泊8日でカンボジアに行ってきました。(ワアッ!みんな驚きの声)でも、着いたその日に高い熱を出してしまい、医者に診てもらうとインフルエンザに罹ったという。39度の熱が出て散々でした。でも、何とか回復してアンコールワットで初日の出を見ることができました。行きと帰りはベトナムを通る行程でした。

 大学時代、カンボジアの村の支援のボランティアに関わっていましたので。今回、胸を痛めたことは、カンボジアもベトナムも、道端にプラスチックのゴミが散乱していたことです。ああ、これは辛いな…と。でも、そこに住む人たちは、みんな幸せそうな顔をして生きていたことが印象に残ります。

由紀さん: K市で院内学級と特別支援学級を担当しています。2月中に、Y市の小学校から擁護教諭を求めるお話があり、私はずっとこの仕事に就きたいと願っていたことだったので、いろいろ周囲にご迷惑をおかけしてしまうことになりましたが、その仕事を引き受けさせてもらうことになりました。

 ⇒そうなんだね。どのくらいの規模の小学校なの?

 およそ700人くらいです。

 ⇒4月は健康診断など始まって激務が予想されるね。頑張ってね! でも、子どもたちは待っているよ。

藤田先生: 春から仕事の関係で稲城市から高尾に転居する予定です。私の実家は平塚にあります。今年も兄弟が集まって母を交えて(おいくつですか? 87歳です…)百人一首をしました。

 ⇒わあ、素敵ですね。家族で、兄弟姉妹でいまもなお百人一首を楽しむなんて! 

 百人一首は、母が大好きなんですよ。(我が家の母も好きでした!)

 先ほど能登の地震で被災した人たちのことが話されましたが、大学で知る私の繋がりの学生も声をかけると何とか自宅が無事だったようでホッとしましたが、別の先生担当の学生の中には辛い思いをしている人もいたみたいでそのことは心が痛みます。

雅子さん: 4年生を担任しています。啓太さんの紹介もあってお正月と冬休みに学習会に参加しました。I先生と言う方の『数学』の学習会に参加し、いろいろ学んだのですが、そこで『町田くんの世界』(安藤ゆき著、集英社)というマンガを読むことを奨められました。それで読み出すと、とても考えさせられて何人かの人におすすめと言っています。

 それから、学校で荻上チキさんをお呼びしての講演会が開かれ、ここでもたくさんのことを学びました。荻上さんには『みらいめがね』(荻上チキ著、ヨシタケシンスケ著)という作品があります。

啓太君: 自転車にはまって(こうは言ってなかったかな?)M駅まで自転車を走らせてきました。距離にして自宅から18キロ。これなら十分Mカフェの始まる時間に間に合うなと思ったのですが、実際走って見たら、段差が予想以上にあって坂道を登り下りする(多摩丘陵をいくつも越えてくるんだものね)ので結構かかってしまいました。

 最後は、M駅行きのバスを見つけて、その後ろにくっついて走ってきました。(みんなの笑い!)

 雅子さんの話ですけど、数学の物語は確かプロフェッショナルに登場していた方だと思います。荻上さんの話も面白く、けっこうゲームが好きみたいでぼくも同じゲームにはまっています。(笑い)

翔君: 先ほどの修介さんの話ですが、実はぼくも大学時代カンボジアに行ってフリースクールのお手伝いをしていました。宿が安いんだけど大変だった。ちょっとお金を出したんですけど、シャワーや熱湯も出なくて…。

 

子どもたちの抱えている困難を語り合う

 ここまでが1時間。

 さて今回は、1月の学級に生じた「いじめの問題」を参加者の一人が話してくれた。その対応や解決の見通しについてみんなで語り合った。

 みんなが、自分のクラスに生じた問題も率直に語ってくれてとても有意義な会となった。

 この話し合いを終えた後、もう1人の参加者から、「みんなに聞いてほしいことがあるのですが…」と抱えている問題が話された。

 誰も持ち手のいない子を来年度担任することになりそうだが、どう対応したらよいかをめぐって。その子はとても「攻撃的な」子ども。

 これもまた難しい問題だった。でも参加者のみんなは、自分ごとのように問題をとらえ考えや意見を聞かせてくれた。

 解決は容易ではない。しかし、こうしてみんなで語り合えるのはとても大切な機会だと思う。一人で悩まないで、みんなのアイデアを聴き、足りなかった対応などにも気づき、周囲の力も借りて、からみあった問題がすこしずつ解けていく。

(※但し、“上から目線”の一方的「指導」の押し付けや強制は、問題を抱えている教師を苦しめ、そういう場には出たくない思いをさせてしまう。会の中心となる人や参加者は気をつけなければならないね)

                      ※

 12時に会を終えて次回の日時を確認し散会する。

「食事に行ける人は一緒に行きましょう」

 近くの商業ビルの9階にのぼって中華料理店に入った。8人席がとれてみんなで顔を会わせながら食事をした。ぼくが頼んだのは、麻婆豆腐定食。

「これ、辛いね!」

 と悲鳴をあげる。慎二君は、頷きながらも平気で食べている。愛さんは「わたし、辛いの好きですから」と笑って食べていたよ。