午前5時半起床。

 外はぼんやりと曇っている。暑くならないといいな…と思いながら、6時45分自宅を出る。


 今日は、都留文科大学で現職教員教育講座ー。

 山梨県の10年目研修の選択講座の1つにもなっている。

 

 ぼくの講座『子ども理解と学習指導』は、午前10時から―。

 1時間前にゼミ室に着いた。

 

 30分ほど、話の準備をしようかと思ったが、学生たちの提出したレポートの確認などで手間取り、けっきょくあっというまに講義の時間が来た。


 会場は初めて訪れる部屋で2号館の2階だった。

 

 10時開会。その寸前に、連れ立った若い女性たちが入室してきた。そして、ぼくの右手の窓側の席に着いた。

 「若い先生たちがいらしたのかな…」と思ってよく見ると、それはぼくのゼミ生たちだった。

 4年生のOさん、Yさん、Iさんの3人。

 驚いた、だけどうれしかった。


 それから、ぼくの目の前に座っている2人の男性を見て、さらに驚いた。

 「島崎さんと本木さんじゃないか!」

 2人は『学びをつくる会』で、共に語り合う友人たち。

 「遠くまできてくれたんだね!」と、小声で話す。

 「もう、夏休みに入り、研修で来られますからね」と島崎さん。


 それから、もう一人、後部座席にどこかで見た顔がある。

 あとで、わかったことだけど、昨年の専攻科で学んでいたYさんだった。いま山梨で教師をしている。


 お話は12時までの2時間。

 レジメを参考にしつつ、今のぼくの関心から自由に語らせてもらった。


 講義終了後、都留で長いあいだ教師をなさっているMさん(こちらは女性)が、わざわざご挨拶してくれた。

 確か、2年前と4年前にも、この講座にいらして下さった。それから、都留の教師たちでつくる生活指導の研修会にも!

 ありがたいことだ。


 「昼を食べに行こう!君たちも一緒にどう?」

 そう言って、3人のゼミ生も誘うと喜んで来てくれた。

 島崎さんと本木さんを含めた6人で、大学の食堂に行った。


 歩きながら島崎さんが言った。

 「ブログによくでる山はこの先の方ですか」

 「いや、それはこちらです」

 彼の背の方を指さして、ゼミ生たちが答えてくれた。

 「楽山に食事のあと行きましょうか」とぼく。

 「紫陽花がきれいですよ」とゼミ生たち。


 食堂は、あまり混んでいなくて、窓際の席に6人ですわった。

 「きょうは、好きなものを注文しなよ。ぼくのおごりだ!」

 「えっ、いいんですか」

 「勿論いいよ。きょうは授業と違って特別だもの。どうですか、カツカレーなんか食べたら」

 それは、ちょっと大盛りみたいなカツカレー。

 3人はちょっと違った丼ものなどを選ぶ。

 

 6人で雑談をしていたら、思わぬブログ談義になって、ゼミ生たちが叫んだ。

「ああ、あそこに登場していたお話ですが、先生の書かれた文だったのですね」

 

 そうだね。こう考えるとブログの世界が、不思議な出会いとつながりとして具体的に見えてきて楽しい。


 午後の1時。島崎さんと本木さんの2人は、午後の田所先生の講座に向かっていった。


 部屋には宮下先生がいらしていて、午後からテストをうけられなかった学生たちのための対応をされると話していた。


 ぼくは、霜村さんに連絡。

 「ゼミおわりましたか。いま授業中?」

 「いや、終わってもう帰れますよ」

 「じゃあ、2時半の電車で一緒に帰りませんか。駅で会うことにして」

 「了解…」


 ぼくが駅に向かって歩いていると、後ろから速足でタッタッタと歩く音がして、振り返るとそれは霜村さんだった。

 「今日が前期の最後のゼミだね。これで、ばあいによっては11月まで会えない学生もいるし…」

 

 霜村さんとは「また明日、教科研事務所であうんだよね。じゃあ!」何て言いながら立川駅で別れた。