毎月、20日が迫ってくると、忘れていた原稿の締切ことを突然思い出す。

 「さて、来月号は何を書こうか…」と。


 それから、そそくさと資料を探し始める。ちょうどこの日、郵便ポストに今月号が送られてきていた。

 「よし、頑張るぞ!」

 何だか意欲がわいてきた。結構、ぼくは単純なのだ。


 2000字程度の原稿を昨年の7月から、毎月一回書きつづけている。読む人がいるのかな…と思っていたら、6月の『教育実践と教育学の再生』の第1巻の公開読者会を開いたおり、この本にも執筆してくださった青少年問題に取り組むAさんから、うれしい言葉をいただいた。

 「先生、授業と学びについての文章、読んでますよ。毎回とても楽しいです。あんな授業が受けられたら、子どもたちは幸せですよね」


 ごくありふれた授業の小さな工夫や、子どもたちの生き生きした学ぶ様子を、書いているのだけれど、喜んでくれるとうれしい。

 教師である醍醐味は、子どもと生きること、そして共に学びをつくりことだから…ね。


 さて、今月号は2年生の簡単な『文章題・引き算』の物語。

 子どもたちは、ぼくの話す文章題を、集中してサッとノートに聞き書きする。

それから、式をたてる。

 今回は、3つの式がでて、これをみんなで討論したときの話。

 名付けて『ちびっこ(算数)会議』―。


 書き終えて、印刷してもう一度読み直す。そして、不満なところを書き直す。

 パソコンの添付メールで原稿を送った。


 それから、B5の紙を一枚とりだして、カットを描く。

 今回は、女の子がちょっとうつむいて学ぶ姿を描いた。その頭の中に、式や計算を描きいれる。これは郵送する。


 よく、授業中、黒板にこんな絵を描いた。

 「君たちの頭の中を、いまちょっと描いてみるよ」

 子どもたちは、ぼくの絵をみて笑った。

 でも、そんな授業も何だか楽しいなと思う。