木曜日の5限の授業は、学校教育基礎研究。
今日はぼくが話した。
授業が終わると3人の学生が近づいてきて、その中の一人が言った。
「先生、わたし、高校生のときここにきて先生の授業を受けました。そのとき黄色の蝶をいただきました。きょうもそれをいただいてうれしいです」
「もしかしてあなたはオープンキャンパスのときに来た高校生なの」
「そうです!すごく懐かしです」
ぼくは、びっくりした。そんなことってあるのか…と。
彼女の書いた感想文の一部を紹介させていただく。
≪2年前、私が高校3年生のときの秋、文大のオープンキャンパスで山崎先生のこの授業を受けました。そのときのことを今日思い出しました。この授業を受けて、高3の私はとても刺激をうけました。今日もまた心に響きました。
2年前の、この黄色いちょうちょをもらって手帳にはさんで、受験への励ましにしていました。今、文大の学生としてこの授業を受けて本当にうれしいです。大学に入る前の気持ちも思い出して、気をひきしめないと、頑張らないと…、という気持ちになりました。
そして、先生の話の中で、大事なものとは何かを考えさせられました。先生になるかわからないけど、なってもならなくても今経験できることをして、心の面でも成長していきたいです。…。
この授業を受けて「文大に入学する!」と決めました(高3のとき)≫
ぼくの授業を受けて文大に来たなんて、なんだかすごい責任を感じてしまう。
でも今日ぼくはこんな話をした。
「自己紹介をしますね」と言って、最初にぼくに関わる4つのことを話した。
それから言った。
「もう一つ、教師を退職した今、プラスαがあるんだ。…それはね、君たちと出会えたことです。教師を生きてきたぼくから君たちにバトンを渡すことができる。これってすごく嬉しいことなんだ!
これから、たくさんの素敵な教師たちがここで授業をしてくれます。君たちへの期待をこめてバトンを手渡してくれる。大切に受け取ってくださいね…」
次は二人の感想。とても短いけれど心があふれている。
≪先生の話を聞いていて、すごく悔しくなりました。何度も泣きそうになりました。“羨ましい”と凄いと思いました。ガキの書くような文章ですが、それだけわわかりやすい感情がぼくの中にこみあげてきました。まるで子どもに戻ったように…≫
(K君素敵なコメントありがとう。君の震えるような熱い心が伝わってきます)
≪すごく感動でした。先生にとって普通の話だけど、生徒の人生を変えるかもしれない。<あたたかい話でもキツイ話でも>。
私は教師になりたいと思ったのは、いい先生に出会ったからではなかった。実は、先生に傷つけられたことがあった。(小学校のとき)。そのときにすごく悲しくなった。だから私は、その先生を見返したいと思った。今日の授業で聞いたことは私の心にすごく響いた≫
(H君、悔しかったでしょう。君はきっとしなやかな教師になるだろうと思います)