6時半に起きると、外は、ほんのりと明るい。曇り空だけど薄日がさしている。

「もしかしたら、見えるかもね…」

 つれあいは1か月前から、金環日食を見るための特殊メガネを買ってきて、今日を待ちかまえていた。

 7時頃からベランダにでて東の空を眺めている。

「見える、見える!」

 太陽が月の影に入って、三日月になっていた。それから、7時半頃になると、美しい金環日食が見えた。

 隣にやってきた娘に言った。

「あのリングをプレゼントしてあげよう」

 こうした言葉は、どこか二人で交わす言葉かな。ぼくのは冗談だけど、もしかしたら、本当にこんな言葉をもらった人もいるかもね。

                       ※

 霜村さんのブログを読んだいたら、「わあっ」と思った。だって、小学生時代の思い出が書いてあった。

 「3・4年生の頃、確か見た覚えがある」(正確な引用ではありませんが…)

と。ぼくの記憶の中の日食も、やはり3・4年生の出来事。みんなと下敷きを空に掲げながら、教室の窓から太陽の欠けていく姿をのぞいた覚えがある。それを思い出していたら霜村さんの思いでと重なった。

 彼は、S県でぼくは静岡県で同じ学年の小学生をやっていたんだ。それで「ふふふ」と笑ってしまった。