ランサム・サーガ(全集)第5巻『オオバンクラブ物語』をやっと読み終わった。

 このランサムの描く物語は、少年時代に読んでいたらよかったなといつも思う。

 今回はイギリスの東海岸の湖沼地帯が舞台となっている。

 風を受けて少年たちのヨットが走り抜ける。

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 この物語は、いつも少年や少女が、自然の中で、背伸びするようにあふれる命を輝かせて生きる。とてつもない冒険ファンタジーなどではないけれど、これを読むと、子どもたちの心が躍り出すだろう。身の周りの山々や川が、手つかずの自然が、彼らの冒険の舞台となってたちあがってくるだろう。

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 訳は神宮輝夫さん。あとがきで、この本を最初に訳した岩田欣三氏の名前がでてくる。「読みやすい丁寧で正確な訳」をされたと紹介してある。狛江一小で図工の授業を担当していた年上の友人、岩田先生のお父さんがその人である。

 彼が図書室でアーサーランサムの全集を見つけながらぼくに教えてくれた。

「これは僕の父が訳したのですよ」と。

 彼は、よく高宮先生やぼくを、職場の仲間と一緒に鎌倉のハイキングに誘ってくれた。5月の連休に、そうしたハイキングの一日があった。懐かしい。

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 昨日、若い二人からうれしい連絡。

 卒業したSさんからは「元気にやっています」との声を聴く。そしてもう一人のS君からは、「教科研大会の『はじめの集い』行きますからね」と。