都留の桜が満開。曇り空が続いているから悔しい。
図書館の横には、華やかにしだれ八重桜が咲いている。
昼ごろ太陽が出た。
「どうしよう。外は寒いかもね。中でやろう」
M君がつぶやく。
ゼミの新歓を午前と午後の授業の間に実施しようと相談していたのだ。
買い出しは4年生。
「どっこいしょ」
荷を下ろす音がする。テーブルにお握りとお菓子がならんだ。
※
12時20分。4号館前に集まってね…と話していたので、ぼくが3年生のゼミ生を迎えに行く。手を振ってOさんやSさんがやってくる。
「みんなに連絡してくれる? ゼミ室で歓迎会をすることにしたんだ」
二階のゼミ室に入ると4年生が拍手をして迎えた。
くじ引きで4年生の間に3年生が座る。
ちょっと緊張気味ですね。
「これから山崎ゼミの歓迎会をはじめます。かんぱ~い!」
この時間はさすがにお酒なし。ジュースでね。
「では、好きなお握りを決めてください。一二の三で取りますからね。いいですか」
お握りをにらむ。いろいろな味のお握りが並んでいた。ぼくは『手あぶり鮭』なんて書いてあるのを選ぶ。
「よ~い、はい!」
ダダダダダ!…のびるのびるのびる手、手、手、手…。
「わあい、とれたぁ。やったぁ」
うれしそうに小躍りするのはKさんやAさんだ。『牛肉味噌味』みたいな文句がかいてあったみたい。
ぼくが、ちょっといじわるして隣席のKさんのお握りをそっと取ってぼくのと返ると
「うわぁ、変えるなんてずるい」
※
4年生はくじ引きをして他己紹介をした。新3年生は自己紹介。
総勢18名。壮観だ。何だか合同ゼミもまたやってみたい気がした。
物語や雑誌『教育』などの論文の読書会なんかでもいいしね。
「先生、自治会館が借りられるから、そこなら鍋の会ができますよ」
食べることが一番に実現しそうだね。