『いじめ問題』についても『生活指導論』の授業で考えあった。

 M.K.さんは、最終レポートに、授業を通して学んだことから次のようにまとめている。大切な視点なので以下に触れておきたい。                       

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 ≪先生の授業を受けて『いじめ』についての考え方が変わりました。私は、『いじめ』を教師がなくすことはできないと思っていました。なぜなら、今まで小学校、中学校、高校、大学と、何度も『いじめ』がありましたが、いじめられている子の変化とかいじめる側の自発的変化やクラスが変わるとか、自然消滅しかそれがなくなったのを見たことがないからです。…何をしても無駄だと思っていました。…

 教師が「いじめをやめろ」と言っても、それでなくなることは、ほとんどありません。

 この授業で先生が教えてくれたのは、別の方法でした。それは、子どもたち自身が持っている力を活かして、いじめをやめる機会を与える…ということなのではないかなと、自分でまとめてみました。

 子どもたちが持っている、友だちのために頑張るやさしい心、ペットを守ろうとする強さ、クラスの決め事を守ろうとする正義感、そういったキラキラ輝く力に気づかせてあげることができれば、子どもたちはそれを活かそうとします≫

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 具体的な話は、授業のなかで語っている。私自身の何度かの体験は、『パニックの子、閉じこもる子達の居場所づくり』や国土社の『いじめ問題を考える』などで記している。ごく最近の例では、新聞連載等で紹介している。

 ここで大切なことは、彼女が語っている通り、『子どもの中にある、今を、明日をよりよく生きようとする力』『その子の中にある人間的な感覚や可能性』に依拠すること!

 この力を、どのように、どれだけ引き出せるか。あるいは子どもを信じて、彼らと共に真剣に立ち向かうかにかかっている。

 『いじめ克服』の取り組みは、教師にとって『人生をかける』『命をかける』ような真剣さが必要とされるように思う。