朝から手紙を何通か書いて、その後、書きかけの原稿にとりかかる。

 「ああ、こんな時間だ」

 気が付くと時計は午後の2時近い。

 昼は冷凍庫のごはんをあたため、インスタントの牛丼のようなものをかけて食べる。猫のライラはベットの上で丸くなっている。

                         ※

 午後4時、渋谷に行くために家を出た。雨が降っている。今晩おそく雪になるというが、まだそれほど寒くはない。

 映画『三丁目の夕日 ”64』を見た。3D映像となっているが、ここはそうなっていない。

 西岸良平の『三丁目の夕日』は、30代の頃、ビックコミックで読んでいた。コミックの単行本も数冊ばかり、本棚の隅っこに入っている。

                         ※

 1964年。東京オリンピック。ぼくは中学3年生。

 その日、学校は3時間になったようで自転車の後ろに鞄を括り付けて帰り支度をしていると、校内からテレビの歓声が聞こえてきた。それがマラソンの中継だったような…。不確かな思い出。

 中学は町の中にあって、ぼくの家はそこから遠い。山の中へと向かっていく。

 そういえば、聖火が東海道を走って行った。中学の陸上部の生徒たちの何人かが聖火の伴走をしたような気がするが、確かな記憶だろうか。