『学びをつくる会』の第20回集会が池袋の生活産業プラザであった。

 関東の山間部に近いところは雪が降っているという。みんな集まれるだろうかと心配したが、開会の10時近くになると、会場は参加者でいっぱい。

 よく来て下さったなと思った。

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 午前中の講演は、朝日新聞編集委員の氏岡真弓さんだ。

『いま、先生は』が講演テーマ。

 氏岡さんは、そのテーマに付け加えた副題から話し始めた。

 それは、次のような言葉。

「いま、先生は ~過酷な、しかし人を惹きつけてやまない仕事」

 教師の仕事の今日における“過酷”さについて、それがいまどんな状況にあり、なぜ生まれてきたかを解き明かしつつ、それでも“惹きつけてやまない”仕事であることを丁寧に語り続ける。

 ひとつひとつ、これまで取材で出会った幾人かの教師の姿を、具体的にふれつつ、わかりやすくお話してくださった。

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 この会に寄せて、およそ次のような言葉を述べられうれしかった。

「『学びをつくる会』をこれまで、よく取材させていただきましたが、早くから若い教師たちとつながり、彼らを励まし続けてきたことに敬意を表します」

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 今日の会には、都留文科大学や埼玉大学、千葉大学などから学生たちが多数、参加してくれた。教育に関心を持つ仲間や将来教師を目指す仲間たちだ。

 本当にうれしかった。

 ぼくは、大学の授業やゼミで、今日の会を紹介していたが、それを聞いてやってきてくれた仲間もいる。

 Eさんは授業感想の終わりに会への参加を書いていた。

「今週の土曜日の学びをつくる会に参加させてもらいます。初めてそういった会に参加するので緊張もありますが、とても楽しみにしています。たくさん学ばせてもらおうと思っているので、よろしくお願いします」と。

 それで、会場でEさんは来ているかな教えてくれた

「やあ、君がEさんか。雪が降ったから今日来られるか心配していましたよ」

 Eさんは、ぼくの言葉に笑顔で応えてくれた。

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 ゼミのAさんについても心配していた。

「先生、今度の集会に行きたいです。前日、友だちの家に泊まろうかなと考えているのですが、まだ連絡していません」

「それなら、是非、おいでよ」

「会場がわからないかもしれません…」

「よし、それなら、ぼくに携帯で連絡を入れて。池袋駅まで迎えにいくからね」

 そんな話をしていたのだ。

 9時に会場についたぼくは、会の始まりの準備をしながら、そのことを思いだして携帯をポケットに入れてもしかして来るなら連絡が入るだろうと待機していた。

 10時少し前、AさんとHさんの姿を入り口に見つける。

「やあ、本当に来たねえ。Hさんと二人できたの」

 するとHさんが答える。

「池袋に着いたらAさんから連絡が入ったの。それで一旦駅まで戻ってあげて、一緒に来ました」

 よかったね。二人とも満足して都留に帰っていった。

 Eさんは、会の打ち上げに参加して『味彩』(あじさい)にほかの友だちと寄って行った。20数人でおしゃべりをしたり飲んだりの会。20代がいて30代がいて、40代もいる。そして60代もまた。みんなでワイワイしゃべりあう楽しい会だった。