二日ほどF町に行って冬籠りをしていた。新しい年に気持ちの変化をつけるために、50代の初めごろからよく家を出て京都やF町で過ごすようになった。

 辺りの気温は零下になっている。

 あたたかくして本を読む。年賀状の返事を書く。町を歩く。毛糸の帽子と手袋を持って行ってよかった。おいしい野菜をつかったレストランで食事をする。

 この町に流行り物でない本をおく本屋さんがあったら最高なんだけれど…。

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 今朝は朝早く起きて、支度をしてK町の駅まで歩く。少し路面が白く凍っている。

 「ああ、昨夜は雪が降ったのだ!」

 浅間山が朝日を受けて銀色に輝いている。

 線路の向こう側にあるスキー場のある山をみると枯れ枝に粉雪が舞い降りて、白い花が咲いたようだ。

 新幹線の中は暖かかった。本をよみながら東京駅へ。9時40分着。

 中央線に乗り、御茶ノ水で乗り換えて市ヶ谷で降りる。法政大学へ。

 ここで教科研の拡大常任委員会の学習と打ち合わせがある。

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 京都から吉益さんが来ていた。

「昨日から東京に来ていたの」

「いや、今朝の新幹線で来ました」

 前の席にはすでに佐藤博さんが来ていた。

「映画『サラの鍵』を見たかい。あれはいいよ」と佐藤さん。

「ぼくも見たいと思っていたんだ。それでね、新聞の切り抜きがとってある」

 午前中から午後にかけて、教育学講座にかかわる提起があった。たくさんの先生や研究者たちの発言を聞く。

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 午後の最後は夏の教科研大会のこと。『はじめの集い』の担当になっていて困った。いろいろな論議のあと若い仲間の小池さん、中村さんが加わってくれて、大会の責任者藤田先生も加わってくださるという。中嶋先生と5人体制だ。ここまでくると断る理由がなくなって承諾する。