4年生は、いまひたすら卒論と向かい合っているだろう。

 提出日は10日。でも、その日がとても混み合うから早めに出してくださいと言われている。

 「ふうっ」とため息をつきながら、あと少し、あと少しと頑張っているだろう。

 書き終えたら「ィエーイ!」って思わず空に向かって叫びたいね。

 本当のお正月は、そこから…。

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 ぼくも、この冬休みに書くべき原稿があった。しかし、一文字も書いてない。

 明日へ、明日へと伸ばし続けてきょうを迎えている。

 机に座ると、本を少し読みだして、それから年賀状の返事を書き始める。

 結局、原稿へは心が向かわない。

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 年賀状って面白いなとふと思う。

 いろいろな時代の子どもたちが、重なり合って登場する。

 名前を見て、文章を読む。思い出すのは、その子を担任していた子ども時代。

 30年前も、20年前も、10年前も、いつの時代も、そのときその瞬間が立ち上がる。

 それが、一枚ごと一瞬にして時を越える。

 ちゃんとその子の時代にワープする。

 写真がつけられていると、不思議な気持ちになる。

「へえ、お母さん(お父さん)になったんだ」

「この子、Mさんの子ども時代そっくりの顔をしているよ。目元もね。見つめるまなざしも授業中の姿とそっくり…」