ここ数日、1月に出版予定の本の校正に取り組んでいた。丁寧に読んでいくといくつかの間違いがある。疲れる仕事だけれど、これを専門にしている人たちがいるのだ。頭が下がる。

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 10年以上前のことだけれど、今泉博さんと佐藤博さんと3人で、新橋の印刷所に行って、『子どもと生きる』という小雑誌を編集していた。学校の仕事をその日は5時ころ切り上げて新橋に来る。そのまま印刷所からあがった原稿を、明りのもとで数時間読み続ける。

 小見出しをつけたり、表題を変えて読者の興味をひくように工夫したり…。すこし文章の疑問点があると、辞書や辞典で調べなおしたり本人に確認する。これは結構時間がかかる。それを幾度か通って繰り返す。

 疲れるけれど、心ひかれる文と出会うと何だかうれしくなって発行日が楽しみになる。佐藤さん、今泉さんは原則的で、学校の仕事を終えてきたというのに疲れをみせない。ぼくは、集中しているようでよく誤りを見落としたりしていた。

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 今回の本は旬報社から7月に出版予定だったけれど、様々な事情から遅くなった。執筆していただいた方々に申し訳ないと思っていたけれど、やっと責任が果たせるようでうれしい。

 本の題名は『教師のしごと』―。若い教師たちが多数編集や執筆に参加している。高文研から『新採教師はなぜ追いつめられたか』(久富善之・佐藤博編著)が出版されて、若い教師たちの苦悩が世に伝えられた。

 できれば、今回の本は、そうした若い教師たちの仕事を励ます本にしたいと思った。

 ぼくは、佐藤隆先生と企画や構成を練り、アンケートなども作って、若者たちの声を集めた。本の様々なところにアンケートに協力してくださった方たちの声が掲載されている。

 たとえば次のような問いと答えが…。

「初めて子どもたちと出会うときどんな工夫をしていますか」

「子どもがおしゃべりをやめないとき、どんなふうに集中させていますか」

「5時を過ぎたのに、特別な研修会にでなさいと言われたけど、それって…」

「あなたのストレス解消法は」

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 手に取って読んでくださり、ぼくと同じことをしているなとか、こんな工夫もいいななんて感じてくださったらうれしい。そして、教師をする元気なパワーが生まれてくれたらうれしい。