静岡へ

 静岡駅に12時前に着く。駅ビルのレストランでスパゲティを注文した。

「コーヒーはいつお持ちしますか」

 珍しくぼくは「先にします」と答えた。今日は何だか、体がコーヒーを求めている。しばらくすると熱いコーヒーがやってきておいしかった。

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数日前から喉が痛くて昨日は少し体が熱っぽかった。神楽坂で佐藤隆先生と簡単な打ち合わせをしていたが、6時からの教科研常任委員会は欠席した。家に帰ってテレビをつけたけれど見る気にもならない。ぼんやりと体に毛布をかけて暖かくしてうつらうつらしていた。猫のライラがあたりをうろついている。

大学では数週間前から「熱を出して体調不良です」という学生やマスクをしている学生が多かった。「君たち、不摂生はだめだよ。体に気をつけろよ」なんて顔見知りの学生には声をかけていたのだけれど…。

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リハビリ介護施設に入所している義父をしばらくぶりに訪ねた。生活の身近なことに徹底的ともいえるくらい関心を持つ義父で、物覚えがいい。手足は思うように動かないのだけれど、クリアな精神で日々闘っている。

 3時のおやつの時間になって、入所している人たちが集まるリビングに行った。義父の側にすわって一言ふたこと周りの人に挨拶をする。

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 4時頃施設をあとにした。外でジャージ姿の高校生の一団にあう。背中の「掛川」の文字を見て驚く。よく見ると『掛川西高』と書いてある。思わず声をかけたくなった。「君たち、今日は何かの試合かい」と。掛川から静岡までは電車で約1時間の距離にあるのに…。

 『掛川西高』は父が通っていた学校だ。よく幼い頃に聞かされた。当時は『掛川中学』と言っていたが…。

 ぼくは、袋井中学から磐田の高校へ行くのだが、友人たちの何人かは掛川西高校にすすんだ。懐かしい名前を見た。掛川と聞くと幼い頃の父とつながる。