四万十川のスケッチ

 高知教研の二日目の朝、教科別の国語の分科会に出席した。ベテラン教師と若い教師の実践報告があった。参加者の意見や討論を聞くと学ぶことが多い。

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 午前中の討議を終えてお弁当をいただいく。午後はゆっくりできない。中村駅1時24分発、特急『南風』に乗る。せっかくここまで来たのだから四万十川の流れを見ないで帰るのは寂しいと思った。

 知り合いの濱田先生に尋ねる。

「木々の陰に見えるのはもしかして四万十川ですか」

「ああ、そうですよ」

 ぼくは小さなスケッチブックを取り出して、校庭の端っこを歩き木々の間を抜けた。

 すると、目の前が突然開けた。そこは河岸段丘になっていた。大きな橋が二つ見えてその向こうに低い山並みが連なっている。

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段丘を降りて土手や岸辺に行くには時間がない。遠く川を見下ろしながら風景を描くことにした。20分。雨がポツポツ落ちてきた。

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高知駅に着いてNHKの大河ドラマ『龍馬伝』のセットを見学。それから、市内の日曜市のテントの間を歩いて高知城まで行く。

4時を過ぎていたから日曜市はもう片づけを始めていた。おばあさんがみかん箱の上に乗って背伸びしながら、テントの上の横木を外していた。軽トラックが何台も止まっている。店舗の道具や品物を持ち帰るのだろう。今日の売り上げはどうだったのだろうか。

大学生が大安売りになった野菜をうれしそうに買っていた。

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羽田着、午後8時。携帯を入れると香川県教組のN委員長さんからメールが入った。

『ごくろう様でした。こちらは350人集まりました。いま温泉に入ってゆっくりしています。明日からまた1週間学校です』