ずっと机に座って

 ぼくが家にいるのがわかると、猫のライラがちょっかいを出しにくる。顔を洗っていたり、玄関ポストから新聞を取り出したりしていると、背後にそっと忍び寄ってくる。

振り返ると、ぼくを見つめながら「ニャオ」と一声泣く。それから両足でぴょんと跳ねながら方向転換―。身軽な忍者のようで何だかその姿が格好いい。それから「遊んでよ」と言うように走り去る。

「仕事があるんだよ」

とつぶやきながら、それでも少しだけ遊んであげる。今日は、コロコロと音がするボールをほうってあげた。

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一日ずっと机に座っていた。夏の教科研大会の『終わりの集い』の『若い教師たちとのトーク&トーク』のテープ起こし(反訳)が送られてきた。少し読みやすく修正を加えていく。ふと気づくといつのまにか午後の1時半を過ぎていた。

昼ごはんにしなければならない。簡単な野菜炒めを作って食べる。

それから、少しあれこれ別の仕事をして、再び作業にとりかかる。若い教師たちのトークを読みながら、彼らの力の素晴らしさや可能性を感じて、またうれしくなった。

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ここには、佐藤博さんの講演記録も入っている。これは佐藤さんが自分で整理してくれる。全体の整理が終わったら教科研の記録集担当のMさんに送る。

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夕方の5時半になった。少し疲れて散歩する。本屋さんの児童書の棚に岩波少年文庫『オオバンクラブ物語』(アーサー・ランサム作、神宮輝夫訳)が並んでいた。上下巻あわせて1560円。岩波新書も一冊購入。定価は860円。昨日は池澤夏樹の分厚い本を買っている。「いつ、お前はこの本を読むつもりなの」と、自分をのろいたくなる。