再読しなければ

 ぼくの本読みのスピードは遅い。理解に時間がかかる。この9月、10月に読んだ本の中で「もう一度読み返したいな」と思った本があった。

ゼミ生たちにもちょっと紹介したけれど…。

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 1冊は2004年に平凡社から発行された『経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか』―。津田塾で教えられていたC.ダグラス・ラミス氏の本。日本社会をとりまく基本思想が、また西洋思想の展開が“成長”“発展”という思想にとりつかれているけれど(マルクス主義も含めて)それはいま問い直されなければならないのではないか…と主張する。

 もう1冊は内山節氏の『文明の災禍』(新潮新書)。これは今回の大震災という自然の災禍と原発事故という文明の災禍について深く思索し鋭い分析を加えている。ときどき立ち止まりながら読んだ。

 2冊とも厚い本ではないけれど、今という時代をぼくたちが考えていくうえで問わねばならない視点を与えてくれているように思った。

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 昨日の運動会を見て子どもたちや教師たちの活躍に深く感動した。そうした中でいくつか生活指導論で考えてみたいことがあった。

 ぼくの関心の中には、子どもたちのときめきとその意義、体と表現、子どもたちの意欲を高める運動会指導のあり方について、演技種目と子どもの主体性、日本の運動会の特殊な姿等々の問題などがある。

 ほんの少しの時間しか触れられないかもしれないが学生たちと考えてみたい。それで思わず本棚から城丸章夫氏の『スポーツの夜明け』(新日本出版社)などを取り出して読んだ。これはずいぶん古い本だ。1973年11月の発行。