臨床教育学研究・創刊特別号

 『臨床教育学研究』の創刊特別号、第0巻が10月の日本臨床教育学会第一回大会にあわせて発刊された。出版は群青社から。

 編集委員長は田中昌弥先生。3月に日本臨床教育学会の設立総会後、急ピッチに本の出版にむけた取り組みが始まった。先生はたくさんの原稿を抱えて大忙しだった。

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 創刊特別号の執筆メンバーはおよそ以下の人々。

 小林 剛氏(武庫川女子大学)、田中孝彦氏(武庫川女子大学)、福井雅英氏(北海道教育大学)、田中昌弥氏(都留文科大学)、庄井良信氏(北海道教育大学)、広木克行氏(大阪千代田短期大学)、横井敏郎氏(北海道大学)、早川りか氏(武庫川女子大学大学院)、森博俊氏(都留文科大学)、氏家靖浩氏(東北文化学園大学)、筒井潤子氏(都留文科大学)、上田孝俊氏(武庫川女子大学)、そしてぼくもこの号に執筆させていただいた。

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 ぼくは『臨床教育学と学習指導』にかかわる執筆を頼まれて『学びとつながり合うもう一つの子ども世界』というひとまとまりの文章を書いた。田中昌弥先生の論文『臨床教育学の課題とナラティブ的探究』および庄井良信先生の論文『ナラティブ・ラーニングの概念と研究デザイン』が、学びを深くテーマにしているので、ぼくの扱っているテーマとのつながりが見えてきた気がして面白かった。

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 田中昌弥先生の論文は、今日の教育実践(ここでは大田一徹先生の子どもとの出来事)の一つを取り上げ、それを優れた教師による心を揺さぶられる実践とだけ読むのではなく、その実践の意味を、「教師の専門性と子ども世界を読み開く」という視点から捉えなおしていて、教えられることが多かった。

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 この本は書店で販売されるのだろうか。値段は2000円と少し高いけれど、手にとってくださるとうれしい。