明日から蓼科へ

 明日から4年生ゼミ合宿で蓼科に行く。前期授業の終わりに三つの課題を出しておいた。

 一つは前期授業で扱った本を読み終えて何を学んだか、感想にまとめる。第二は『卒論テーマ』の決定と設定理由、研究計画、研究方法をまとめておく。三つ目は卒論にかかわって読んだ本の中で心に残る一冊をとりあげその感想を語ること。

 4年生は教採試験で心落ち着く閑もなかっただろう。この課題に取り掛かるのにきっと四苦八苦しただろうな。でも、ここでふんばらないと…。卒論は自己との闘いともいえる。しかし、この苦しみは飛躍の一歩につながる。自分自身の言葉で石垣を積み上げていくような作業だけれど、その過程において新しい視点を発見し、力を得て自己が磨かれていく。

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 ゼミの3年生は9月になって、各地で教育実習に取り組んでいるだろう。「先生!」と呼ばれる不思議さ、その感動を味わいながら、日々を生きているだろうな。明日の授業を前にして徹夜をくりかえしているかもしれない。このかけがえのない体験も、人生の大きな飛躍の一つになるだろう。月並みな言葉だけれど、みんな頑張れ。

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 先ほどベランダに出て夜空を見上げた。中秋の名月が空高く浮かんでいる。霧のような雲のかたまりが、輝く月の前を走り抜けていった。