千葉で研究会

 日本教育学会の今年度の大会が千葉大学で始まった。田中昌弥先生が主催されるラウンドテーブルの報告者の一人として参加する。

 千葉大の片岡洋子先生が事務局長で「冷房だいじょうぶですか」と部屋をのぞきにきてくれた。仕事を一手に引き受けて忙しそうだ。

 ラウンドテーブルは大会の前夜に開催だから、人が集まるだろうかなどと話していたけれど30名近い研究者が集まった。盛会だ。

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 子どもの世界に何が起きているのか。教室の出来事や風景において見過ごされてきた部分はないのか。むしろそうした部分に光をあてていくべきではないか。教育実践のなかで『優れた教師による実践はあの人だからできる』という捉え方を、もっと丁寧に見つめ解き明かしていくことができるのではないか。そこにナラティブ探究をいれていくとき見えるものがあるのではないか。デューイとのつながり等をどう見ていくか。

 田中昌弥先生の提案の後、竜崎先生、氏家先生が語り、ぼくが教育実践の二つのエピソードをナラティブ的探究の観点で語った。

 田中孝彦先生が指定討論。この本の豊かな質と翻訳の労をねぎらう。森先生が司会。横浜国大の金馬先生、宮教大の本田先生、一ツ橋大学名誉教授の久冨先生も参加されていて意見を述べられる。

 7時10分終了。

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 ぼくは武蔵小杉駅で横須賀線に乗り換えて千葉大に来た。列車に座っていてふと振り返ると斜め後ろ側の席に、どうも武庫川に行ったW君と似た顔がある。「もしや」と思った。稲毛駅で立ち上がるとやっぱり彼だった。

「やあ。同じ車両とはびっくりだね」

「一緒に降りようか」「ぼくは千葉にホテルを取っていますので一旦そこに荷物を置いてきます」

「そうか。じゃあ後で千葉大でね」

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 終わって再び稲毛駅から横須賀線に乗る。お腹がすいていたので珍しくビールとおつまみを買った。列車は暗闇を走りぬけて行く。ときどき町の明かりが後ろに飛び去っていく。船橋、市川、錦糸町、東京、新橋、品川、東大井などの駅を通ったか…。

 行き帰りは五木寛之の『青春の門』挑戦篇を読む。この本は3年生のゼミM君が読むといいな。第一巻の筑豊篇はお勧め。もし興味があったら全巻読むといいよ。