盆で田舎に帰る
盆と正月の2回、兄弟たちで田舎の母のところに集まることにしている。兄は浜松から。弟は小田原から。今年は12日がその日となった。3人の男の兄弟で、若い頃は集まるたびに、政治や社会、教育の問題について喧々諤々と意見を言いあった。そんな日々が20年近く続いただろうか。
それぞれの息子や娘たちがあきれたように言った。
「ここに来ると、どうしてこう議論になるの!」
最近はずいぶん穏やかになり、家族の健康を互いに確認しあうことでよしとしている。この日も3時間ほど飲んで食べた。
「そろそろ帰ろうか」と言うことになり外に出る。暗闇の空には滲み出すような月が出ていた。
ぼくは町にいる娘のところへ行って泊まった。
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母は89歳になる。体は小さくなりあまり動けなくなった。耳が遠く同じことを何度か繰り返すが、自分の周辺のことには確かな関心を持っている。人生の大半を打ち込んできた短歌については、まだ強い意欲を持っていて毎月15首を作り続けている。
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今日は「墓参り」に行った。義母たちの墓は袋井南小学校の校庭の前の少し高まった山にある。墓の周りの草取りをして新しい花を供え線香をあげた。墓の周りは日陰がないから暑い。
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午後から娘たち夫婦の車で浜松に出る。久しぶりだ。天竜川を越えて走る。いくつかの買い物をして食事をし、駅まで送ってもらった。駅ビルの8階に懐かしい『谷島屋』の名前を見つけてうれしくなりそこを訪れた。ぼくが子ども時代からある本屋さんで、中学時代の友だちK君と問題集を買いに来た。その頃は浜松駅から本屋までずいぶん歩いた気がする。