ひさしぶりだね!

 コミュニティホールのいくつか並んだ円卓。料理がたくさんのっている。学会を終えた後のレセプションだ。ゼミ生や卒業生たちや都留の臨床教育学会に参加している人たちがいっぱい。

一つのテーブルでおしゃべりをしていたら「先生!」と背中の方で男性の声がする。振り返るとそこにT君がいた。今年、千葉の教師になったばかり。4月の集まりのとき会えなくて心配していた。

「おお、T君」肩を叩いて言った。「元気だったかい」

「お久しぶりです!」

T君の顔がクシャクシャの笑顔になった。

「会えてうれしいよ。心配していたよ」

 新卒一年目で2年生の担任だという。こうして都留までこられるということは元気な証拠だね。よかった。

              ※

 この日は都留の臨床教育学コースの卒業生の同窓会みたいになった。山梨で教師になったMさんとも会えた。懐かしい笑顔が弾けている。うん、これなら大丈夫。強いね。負けないね。まずは夏休みを迎えようと話していた。頑張ったなあ。

 埼玉で教師になったTさんも元気な姿を見せてくれた。昼休みにちょっとお願いをした。

「教科研大会においで。新卒一年目の一学期を振り返って、ありのままの姿でいいから報告してよ」と頼む。

「わあ、そんなあ。少し考えさせてください…」

 Tさん、待ってるからね。若い教師のみなさん、チャンスがあったら思い切って発表してみるといいのですよ。それは、自分の実践を振り返り意義づけるとても良い機会なのです。

               ※

 向こうのテーブルから合図があった。

「先生、わたし『学びをつくる会』のK先生の学校に行っています」「そうか、それはよかったね。だったらちょっと遠いけど『学びをつくる会』においでよ」

 直接のゼミ生ではなかったけれど、授業やコースの学習会等であったことのある卒業生たちと言葉を交し合った。

 ぼくはふと思い立って、ゼミ室まで急いで戻り、教科研大会のパンフを持ってみんなに手渡ししていった。

「みんな、8月6日~8日までも大会においで。市ヶ谷の法政大学だよ。若い仲間がいっぱい集まるからね。6日は午前中からくるといい。公開講座は実践篇だからね」と宣伝する。