大切なことを持ち続けていけるか

 都留で臨床教育学会が開かれた。午前中は福島大学の鈴木先生が、地震と原発災害の状況を語りながら子どもや家族のありようを講演された。

午後は、都留で学んだ3人の教師が現場から考えることをお話された。3人の発言に共通したものがある。それは今の学校の流れに対し“違和感”のようなものを持ち続けること。これでいいのかと教育の意味や質を問う視点があること。

 教師になって学校に行くと、追われるような時間の流れと多忙さの中で、効率と即効性、具体性が求められる。学校が作りだした規範やルール、約束ごとなどがあって、それに上手に対応できる教師が所謂「プロの教師」「できる」教師と呼ばれる。

子ども理解をじっくりと進めるよりも、機敏できちんとして児童や生徒をすばやく規範化、体制化できる教師がよい教師であると。

今回のお話は、そうした一般的に学校に流れる時間や空間のあり方が問われていた。こうしたことが語られることは貴重なことだ。語る場がないと、いつしか人間性を忘れた『画一的非人間的大河の流れ』に飲み込まれてしまう。

都留の臨床教育学会は教師本来の人間性をいつもしっかりと持ち続けることを励ましてくれる。

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今日は新聞の日曜版に吉益さんたちと書いた『学級崩壊』の紹介、書評が載っていた。今日の子どもとどう触れ合い教室を共に作っていくかを学ぶことのできる本です。機会があったら読んでみてください。