幼児期から青年に向かう成長物語

 渋谷に少し用があって出かけた。スクランブル交差点の見えるレストランで遅い昼をとる。伊集院静氏の『なぎさホテル』を読んでいた。装丁と内容が気に入って…。

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 伊集院静氏の本は『お父やんとオジさん』『いねむり先生』などで紹介した。彼には自伝のような三部作がある。

 『海峡』(海峡・幼年篇)『春雷』(海峡・少年篇)『岬へ』(海峡・青春篇)。1950年生まれの少年の成長物語だ。面白い。

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 自伝小説の三部作といえば、それよりもずっと前に井上靖が書いている。『しろばんば』『夏草冬濤』『北の海』と続く。若い教師の時代に読んだ。

『しろばんば』はかつて、中学の国語の教科書などにとりあげられていたのではないだろうか。これは戦前の男の子の成長物語。伊豆の天城の湯ヶ島でおぬいばあさんに育てられる洪作、それから沼津中学へと進んだ日々、そして北陸の地で柔道にあけくれる金沢の四高時代へ。少年の心の動きや葛藤、そして彼の周りで生きる仲間や人々の動きが心をひきつける。

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暑い一日。7月28日(木)の都留文科大学現職教員教育講座のレジメを作った。この日は、午前中ぼくが話す。『子ども理解と学習指導』。午後が田所さんの講義『学習意欲を引き出す学びづくり』(社会)。翌日は鶴田先生の国語、植村先生の算数がある。

30日(土)には、都留臨床教育学会がある。午前10時~午後4時頃まで。お時間のある方は是非おいでください。