駅で

 都留文科大学前の駅でばったり二人の先生と出会った。夕方の6時半。

 佐藤隆先生の向こう側にいらしたのはスーツにネクタイを締めて帽子をかぶった宮下聡さんだった。

「あれ、こんなところで出会うとは」

「今日は、西本先生に頼まれたの…」

 3人で四人掛けの椅子にすわりながら大月に向かった。

「7時5分の『あずさ』は混むから一本遅らせない…?30分後に『かいじ』が来る。それならすいていて座席があるから」

佐藤先生の提案に賛成だ。大月で下車。駅前のレストランによってビールを注文した。うまい。

7月末に旬報社から出版が予定されている『若い教師向けの本』についてあれこれ話した。新任教師の勤務を中心とするところで宮下先生に協力していただいた。

              ※

7時31分発の新宿行き『かいじ』に乗る。二人はまたビール。

「宮下さん、この間宗谷に行ってきたのでしょう。霜村さんから聞きましたよ。すごい天候だったとか」

「吹雪というか霙でしたね。利尻の人たちがこられなくて夜着いたのです」

 その後、みんなのお酒ののみっぷりについてあれこれ論議した。ぼくはこのごろ赤ワインが好きになった。それでビールはできるだけやめるようにしている。何てったってこの一年であっというまに5キロ太った。うれしいような悲しいような…。

 宮下さんは八王子で降りて町田に向かう。