対抗戦・鶴鷹祭
臨床教育学の授業が終わって、窓際で少しおしゃべり。
「あれ、確か君は今朝も会ったよね」「はい」
「何かスポーツをしてるの」
「ぼくたちハンドボールクラブです」
2年生のY君と3年生のK君だった。
「あれ、じゃあぼくのゼミのHさんと同じだね」「…ふふふ」
この笑いは何だ。
「ハンドって凄いよね。逆立ちしながらシュートを打ったりするんでしょ」「ええ、まあ、そこまでは…」
「今度、鶴鷹祭が都留であるんでしょ。楽しみだね」
「先生、応援に来てください」
「いいなあ。ぼくはスポーツの観戦が大好きなんだ」
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『鶴鷹祭』と書いて『かくようさい』と読む。鶴は都留文科大学、鷹は高崎経済大学のこと。二つの大学の交流戦。スポーツにかかわる部活が一同に会して試合をする。総合優勝も決めるみたいだ。ぼくが大学生だったら胸躍るできごと。
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今年は、ゼミ生にバスケのメンバーがいる。ラグビー部のマネージャーがいるし、バレーボール部のマネージャーもいる。剣道部の主将とかハンドボールの女子副キャプテンもいる。ウーン、試合を見たいなと思った。
「試合はいつなの」「6月の終わりごろです」
さて、日程を見ると何やら入っている。でも、こちらの試合を優先したいな。もしも金、土、日ならね。
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対抗戦はなつかしい。ぼくはバドミントンクラブで大学生活のほとんどを過ごした。関東リーグに所属し入れ替え戦をめざした。一ツ橋や千葉大、東大が強かったな。ぼくらが3年のときは3部で優勝した。それから、毎年3月に全教戦があった。ぼくらは、奈良、和歌山、愛知で試合をした。そこで滋賀大の小田君とも友だちになった。彼らは大挙してぼくの狭いアパートに泊まりにきたっけ。
二つの大学の交流戦。一人ひとりの胸にどんな青春の思い出と友情を刻むのだろうか。