日曜日は演奏会

 大学を卒業して教師になったTさんは、地域の吹奏楽団に席を置き活躍している。金曜日の夜や土曜日が練習日だろうか。何かに夢中になってもう一つの世界をもてるなんてうらやましい。学校の仕事や気にかかる出来事を、ちょっと横に置いて、別世界の仲間や自分と出会う。素敵なことだ。そこに流れる空気は、まったく違ったものだろう。

 そう言えば、『教育実践ゼミ』にやってきていたFさんは、教師を続けながらサンバのクラブに入ってイベントに出演し楽しんでいた。

「踊るのが一番楽しいですから!」と言って。

              ※

「5月22日に定期演奏会があります。よかったら来てください」

Tさんから案内状をいただいた。

「行きます。チケットを2枚ください」

 大学のゼミ室で吹奏楽部に所属するYさんに、演奏会の話をしたら「私も行きたいです」と答えた。TさんはYさんの先輩になる。

              ※

 ところで、ぼくが音楽会に行くというとつれあいが心配そうにぼくを見た。音楽の仕事をしている関係で若い頃いろいろな演奏会に連れて行ってもらったけれど、途中でコックリこっくり眠りだすから、もう最近は声がかからない。オーストラリアのザルツブルグでも眠ったことがあった。

 でも、ブラスバンドは中学生のときやっていたのだ。ブラスの音を聞くと体が自然に反応する。兄弟3人クラリネット。ぼくの音が一番悪かったと思うけれど…。