お土産がいっぱい

 連休の明けたゼミの時間、久しぶりにみんな顔を合わせた。

「お土産を買ってきたんだ」

 そう言ってぼくは広島の『もみじまんじゅう』を取り出した。空港で買ったのだけれど、いろいろなお店があってどこの店で買うか悩んだ。結局、若いみんなはいろいろな種類の餡が入っているのがいいだろうと考えてそれを買ってきた。

「おいしいです」

よかった。うん、確かに外の皮もふんわりと口に溶ける。東京で売っているのとは違うな…。

              ※

 ぼくのお土産を開いたとき、Gさんも机の下から大きな箱を取り出した。きれいな包装紙に包まれている。

「うわぁ!」とみんなが歓声をあげた。

「T県のお土産で~す。奮発したんだよ」(あれ?こう言ったっけ)

「ありがとう!Gさん大好き!」

「おいしい!」

 黄色のスポンジケーキにクリーム餡。口の中でとろける。

              ※

 お昼の後は3年生のゼミ。ここでもぼくがお土産を取り出して「どうぞ」と言うと、HさんとTさんが、机の下でゴソゴソと何やら音を立てる。一瞬、みんな目を丸くした。二人の手からきれいな箱が机に乗った。

「やったあ。奈良のおせんべい!」

「わあ、これは薩摩芋タルトってあるよ。鹿児島に帰ったんだね」

 結局この日、三年生の席には3種類のお菓子が乗った。豪華!豪華!

「ぼくは、もうお昼を食べたから今は無理だよ。でももらっておくよ。みんなは大丈夫ですか。お昼を食べたばかりでしょ」

 すると10人みんなが答えた。

「大丈夫です。ちゃんと入るところありま~す」

「じゃあ、連休中のお話をしてもらうね!まず、今日の報告者M君から」

 M君をみるとタルトを口の中に全部いれてモグモグ。しゃべれない。みんな大笑いだった。

「あまったお菓子はどうするの」

「4年生の先輩たちにあげてください」

 うれしいね。