「休む閑なしですね」

 昨夜、大学会館に宿泊して朝の7時半頃大学に向かった。音楽棟の方から構内に入る。入り口近くに植物園があって桜と躑躅が同時に咲いていた。鶯も鳴いている。もう五月だね…と思った。

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 二日間大忙しだった。

 昨日は、12時ごろ研究室に着く。ゼミ生たちが真剣に学習していた。卒論に関することではないけれど…。

 ぼくは、サンドイッチをほおばってすぐ印刷室に。講義のレジメと資料を印刷する。それから、約束していた院生Gさんの『聴き取り調査』に応じる。ぼくのことを対象にして修士論文を書くというのだ。頑張れ!

お話を少し始めたら、部屋のドアが小さく鳴った。

 4年生のHさんだ。他学部の学生だけれど、今日の子どもたちと生活指導についてお話したいということで約束をとっていた。

「ごめんなさい。Hさん、1時間後にもう一度来てくれませんか」

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 その日、Gさんとは1時間半。Hさんとは30分話す。そんなことをしていたら、またトントンとドアが鳴る。

 ゼミ生のYさんが顔をあげて苦笑しながら言った。

「先生、休む閑なしですね」

 お茶を口にして5限の『臨床教育学』の授業に向かう。

6時に終えて部屋で学生たちのアンケートを読み始めていたら、またドアが鳴る。今度は何かな。

「先生、地域カンファレンスが6時半からあります。ご存知でしたか」

「ごめんなさい。忘れていました。すぐ行きます」

 8時終了。それから部屋で仕事をして8時半過ぎ森先生とFさんの車で食事に行く。横殴りの強い雨だったから濡れなくて助かった。 

はじめて行ったファミリーレストランだけれど、突然「先生!」と言われてびっくり。ゼミ生3年のHさんが目の前に立っていた。

ジャージ姿でペコンとお辞儀する。ああ、何だかこれもうれしい。

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今日は、朝の1限が4年生のゼミ。『子どもの心の危機を考える』がテーマ。2限は再びGさんの聴き取り。忘れていた過去がよみがえる。そして昼食。学食で田中昌弥先生に会う。お盆を持って立ち話。

中華麺を食べていたら目の前で手を振る学生が二人。すぐわかった。新3年のゼミ生のAさんとUさんだ。Aさんの対話ノートに書いてあったっけ。「大柄の女の子が学内を二人で歩いていたらわたしたちですからね」と。

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3限は新3年のゼミ。報告者が毎回すごくよく頑張ってくる。うれしい。人数が10人だけれど内容があって楽しい。

4限はSATの授業。今日は筒井先生のお話で出席する。これからカンファレンスのときは出席だ。そして、5限。「学校教育実践演習」。今日はアコーディオンを片手に教室に向かった。ひさしぶりに弾いた。なんだか小学生の教室みたい。

終わってひと段落。結構働いたよね。

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事務棟に鍵をかえしに行くと、1号館の前で授業に出ていた3年生と会う。「先生!」「やあ、君たちか。授業に出ていたね」「はい、とても楽しかったです。ありがとうございました」

そう言って、3人そろって横に並びペコリとお辞儀をした。笑ってしまった。