サンニ先生の学級通信

 霜村三二さんの昨年度一年間発行し続けた学級通信が、今年もまたまとめられた。あわい水色の表紙に鶴田めぐみさんのカットが載せられている。やさしさとあたたかさが伝わってくる。

 私は、すぐ3月11日の大震災の日から続くを通信を読み始めた。

 その日、彼は学年発表会の真っ最中だった。子どもたちに安心を与えながら、保護者と共に子どもを守ろうとするやわらかな学年教師たちの対応が書かれている。

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 通信を読みながらぼくが心に残った言葉をここに少しだけ記しておきたい。

・ラブレター206号。

  谷川俊太郎さんの詩『だいち』が載っている。

・ラブレター207号。

  『子どもの存在、それは希望です。…子どもたちがいてくれてよかった。

  子どもたちのために、そう思うことで、ともすると挫けそうになる気持ち

  を立て直すことができます』

・ラブレター208号。

  『子どもたちだけでなく若者たちのためにも屹立する大人がいなければな

  りません』

・ラブレター211号。

  『昨日、あるお母さんから電話をもらいました。「ウチで何やら不安そう

  です。学校ではどうですか?」

   子どもたちの心の底に不安があるのは当然です。大地震、原発事故報道

  と、大人でも不安なのだから、子どもたちはなおさらです。

  しかし、学校で見せる子どもたちの表情は、明るさ全開です。いつもの2

  の1の教室です。笑いあい、ちょっとお馬鹿なことをし、女の子たちに注

  意され、力をあわせるときは集中する。

   一年間の中で少しずつつくりあげてきた「居心地のいい教室」がありま

  す。安心な居場所があること、受け止めてくれる人がいること、そのこと

  で不安は乗りこえていけると、ぼくは確信しています』

・ラブレター212号。

  (学校の硬さを実感しているので)『「学校を開く」という意味を本当に

  実践したいと考えるからです』…これは少し説明が入りますね。霜村さん

  が学年保護者を励まし共につくりあげてきた『おやじの会』のことを意味

  している。この『おやじの会』が自主的に春休みに集まり震災地支援の具

  体的取り組みを始めている。すごいなあと思う。

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   霜村さんは再び、4月から担任として子どもたちの前に立つ!