突然の電話

 夜、電話が鳴った。受話器の向こうから低音のいい声が聞こえくる。

「先生、Kです。成人式出られなかったけど、来てるって知らなかったから」

「あっ、K君か。久しぶり。会いたかったね。元気ですか」

「元気です。ぼく、D大の理学部にいるんだけど、少し進路を変えようかと思って悩んでいます…」「へえ、どうしたの」

「先生になろうかって思って。先生になるためには、G大みたいなところに行かなくちゃだめなんでしょう」

「いろいろな方法があるよ。学部でしっかり学んだ後、教職免許を通信でとる方法もある。それから、編入というやり方もあるね。ぼくの今いる大学なども編入生は多いよ。みんな立派にやっている。そんな道も考えていいね」

「先生という仕事が大変なのは分かっていますが、でも面白いかなあって思って…」

「うん、K君が教師の道を選んでくれたら、うれしいね。よく考えて挑戦する気になったらまた連絡してください。応援するよ」

 懐かしい。K君は5・6年生のとき担任した。バスケットがうまく、高跳びも125センチくらいをきれいに跳んだ。彼のバーを越す姿が頭に浮かぶ。

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 ゼミ生の3人がカナダのバンクーバーに行ってホームステイをしながら大学に通っている。みんな元気に行っているかなあ。