雪だ

 朝の10時から臨床教育学コースの卒論発表会。

筒井先生の教育相談臨床ゼミと森先生の障害児教育臨床ゼミ、そして私の臨床教育学ゼミの合同で…。

発表と質疑をあわせて一人15分。総勢26人。途中、短い昼食時間と休憩を入れたが、終了は午後の6時半。凄い研究会だ。臨床コースを選ぶ2年生や、四月から最高学年になる3年生たちも出席している。教室はいっぱいだ。

 午前中は、青空が広がっていたのに、午後になってふと外を見るとあたりはいつの間にか雪景色。空から白い雪のかたまりが、とぎれることなく降ってくる。

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 臨床教育学の卒論は、みんな違ったテーマを扱っている。しかし、どれも人間的な課題と深く結びついている。独自にテーマは検討されるのだが、背後に自分の生の意味を問うような問題意識が流れている。そして、書かれた内容は、今の時代に流れるありきたりな言葉やマニュアルを否定し、そうしたものとは違った深い質を持っているから面白い。およそ7時間にわたる質疑と発表。真剣に聴いた。たっぷりと疲れた。

 終わって4年生みんなと筒井先生、森先生、私とで『うちあげの飲み会』。筒井先生が語る。

「卒論頑張りましたね。卒論は今日で終わりますが、あなたたちの卒論は、これからの生きていく上での大きな力になりますよ。それは出発点と言ってもよいかもしれません」

「卒論を仕上げることも大切なことですが、その過程において悩み考え続けたこともとても大切なことです」森先生が話される。

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 卓上にたくさんの料理が並び、乾杯の音頭。外は雪がもう10センチ近く積もっている。夜の8時、筒井先生と私は電車が動かなくなるのを心配して席を立ち駅に向かった。