感想のレポートの終わりに

 生活指導論の講義を終えた。今週はレポートづくり。

 最後の講義のテーマを何にするか悩んだ。

絵本や児童文学をとりあげ、子どもが人間らしく育つことの意味を問うか、一つの詩をグループで群読したり、歌や曲を同じように仲間と協力して表現したりすることから人とのつながりや創造することの意味を問うか。

結局私が選んだのは、『話し合うことの力』―。人間として豊かに育ちあうことを目指す『生活指導』に一番相応しいかもしれないと思って。

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取り上げた話題は二つ。一つは、『話し合うこと・意見を交わすこと』―。

学級は、様々な場で小さな話し合いが必要になる。子どもが話し合うことは、なぜ重要か。その意味は。そこで育ちあう子どもの力について。自己理解や他者理解の深まりと民主主義的な人格の形成について。具体的な例をグループで楽しみながら考えた。

もう一つは、『人間の生き方を問う話し合い』について。

ここでは『いじめ』問題とその解決をめぐって、子どもたちが互いの意見や感情を語り合い、否定から肯定へ、反目から共感へと進む子どもたちの深い論議を紹介した。

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この日もみんな『小さな感想用紙』にびっしりと自己の思いや考えを綴ってきた。この感想用紙の終わりに、たくさんの学生たちが授業そのものへの感想を記してくれた。少し照れくさいが、感想用紙は全部返却してしまうので、いくつか記録しておきたい。

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①『先生の授業、すごく大好きでした』(うれしい)

②『この授業を通して、友だちと学びを深めたり、これからの自分にたくさんの刺激とヒント、そして山﨑先生の愛をもらったように思います』(大げさに書いてくれたけれど、わたし自身、学生たち一人ひとりに何か伝わってくれたらという思いはあった)

③『半年間、ありがとうございました。Sケンができなかったのは残念でしたが(笑)多くの子どもたちの話が聞けて本当に楽しかったです。山﨑先生のような先生を目指して頑張ります!』

④『山﨑先生、楽しい授業をありがとうございました。先生の話を聞くと、なんだか心がほっこりして、この時間をいつも楽しみにしていました』

⑤『一週間の授業の中で、この授業が来るのが楽しみでした。これからの学校生活でいろいろな経験をして幅広い先生になりたいです』

⑥『この授業を半年間受けてきて多くのことを学びました。較べるものではないと思いますが、どの授業よりも大切なことを学べたと思います』(それぞれの学生の関心にあうかどうかの違いもあるでしょうね)

⑦『先生の話を聞いていると、早く教師になりたい、早く子どもに会いたいと思えます。半年間素敵な講義をありありがとうございました』

⑧『…「納得」ということについていえば、このことは今までこの授業を受けてきて、先生の一つの考えの柱なのではないかと感じました。それは「誇り」のことです。「納得」と「誇り」がどうつながるかということですが、先生も授業中、少しおっしゃっていましたが、教師が強く介入せず、強制してやることではなく、子ども同士が自分の欲望や考えをむき出しにして、考えを深め、一生懸命決めた答え、それは子どもたちにとってある意味“宝”のようなものではないかと思います。そして、教師に言われて強制されたものではなく、自分たちで作り上げたものには「愛着」、自分で決めた「誇り」があると思います。そしてそれが「納得」になって、子どもの意欲的な行動につながると思います』

⑨『あっという間の半年間の授業で、とても楽しく有意義な授業でした。プリントや本の読み上げ、朗読がとても暖かくすてきでした。…。多数の講義形式の授業なのに、皆、静かにしっかり聞いて授業をうけていたのは驚きでした。さすが先生のパワーというか暖かなカリスマ性でお人柄がにじみ出ていたと思いました』

(これは、私と同年輩の学生さんからいただいた。恐縮してしまう。逆にいろいろなことを教えていただいた。また、しっかりと講義に臨んでくれた学生たちにも、心から感謝している)