『学びをつくる会』第19回集会

 8時50分、池袋駅に着いた。地下道を通って階段を上る。生活産業プラザへ。土曜日の街は人通りもなく静かだ。

 会場は7階。講演をお願いした田中昌弥先生がいらして、資料を袋詰めにする。冗談が飛び交い近況を尋ね会う。楽しい。

『学びをつくる会』を立ち上げて、19回目の集会。2002年から9年目を迎える。凄いことだ。

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 田中昌弥先生の講演は『学力論で教育実践を読む』

 10時開会。会場は若い学生さんたちを含めてたくさんの人でいっぱいになった。

講演は、子ども時代のお話から始まる。これが面白い。やんちゃで楽しい小学校生活を送っていらしたのだ。村の中学生から町に出て高校生になる。仲間たちと人生や学びの意味を問いながら、大学へ進学。教育学研究への道へ進んだ歩みが語られる。

 それから、『学力格差の何が問題か』『学力の“質”はどうとらえられてきたか』『学力の“質”を明らかにする枠組みの提案』へと進む。教育実践と研究との関係、『学力』のとらえ方など刺激的で面白い。わたしたち教師が教室と授業の中で大切にしている意味が位置づけられていく。

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 午後からは二つの分科会。今回報告者となった吉澤さん、霜村さん、渡辺さん、松岡さんはみんな私の友人たち。私は、第二分科会の司会を担当。一人ひとりの子どもを見つめる眼差しの深さと実践の丁寧な展開、聴き取られる子どもたちの確かな変化と歩みに心を打たれた。

 佐藤隆先生が、二人の実践をとらえて、巷に言われる『プロ教師』とは違う質の教師像がそこにあることを指摘された。それぞれの教師が自分自身の物語を描きながら教師像をつくりつつ子どもと係わり、未来を見つめ、実践を創り出していく姿について触れられた。形式や形、目に見える数字を追うだけの教師ではない『専門性の原風景』(カナダのクランディニン、『専門知の風景』)についてだ。(詳細は、近日中に掲載される『学びをつくる会』第19回集会報告をご覧下さい)