子どもたちの顔を思い浮かべて

 昨年の3月、退職したけれど、今年も、かつて担任した子どもたちから年賀状をいただいた。

 その一枚一枚に返事を書く。一日では終わらない。何日もかかる。だけどその作業は、教師だったら誰もがそうだろうと思うけれど、とても楽しい。

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一枚の年賀状を見る。誰かな…? 裏返す。名前を見た瞬間、彼や彼女と過ごした日々がたちまち甦る。不思議だなと思う。文章を読み、その子に語りかけるように書く。何だか、突然、時が逆戻りして教室で会話を交わしているような気持ちになる。

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手紙からいろいろな表情が伝わる。

大きくなった写真や家族写真がある。「赤ちゃんが生まれました」そんなうれしい報告も…。

それから「息子は中2になりました。いま反抗期です」(汗の印!)とか、「先生、昨年は子育て相談にのってくださりありがとうございました」なども。

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 いま中学や高校、大学で活躍中の子たちもいる。

「美術の金工作品に取り掛かっています。いつか先生に見てもらえる作品を作ります」

「先生、今年は高校受験です。がんばるから応援してください」

「大学で野球を続けています。そろそろ就職を考えなくては…」

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 退職前に担任した4・5・6年生たちからも楽しい手紙がいっぱい。「会いたいなあ!」「また学校へ来てね」「先生、卒業したら3月に高尾山に登るって約束したでしょ。やろうね」(わあ、同じ文面が何通も。そんな約束をしていたっけ。どうしよう、良い日が取れるかな)

 海外からも何通も。「お父さんの仕事で今ニューヨークにいます。雪が60センチも積もったよ。先生、遊びに来てください」

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 1月8日、やっと今日で年賀状もひと段落。