猫のライラ
昨年の今頃、猫のライラが我が家にやってきた。シャム猫。鼻が黒い。眼は青い。ときどき赤く光る。もうかなり大きくなった。白い猫というより灰色がかっている。
今日は夕方、映画『オーケストラ』を見ていた。音楽が鳴り出したとき、ライラは私の膝にピョンと飛び乗りそのまま丸くなって気持ちよさそうに眠ってしまった。チャイコフスキーの『ピアノ協奏曲』が流れている。こんなことは初めてだ。
その時、ふと思い当たることがあった。
ライラがやってきた昨年の冬、私は小さな頭痛に悩まされていた。そこで、疲れたときや眠るとき、モーツァルトやチャイコフスキーの音楽を聞いていたのだ。ライラは、それを覚えていたのかもしれない…。
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私がテレビの前に座ると、彼は決まって足元を左回りに回り、椅子の前で背筋を伸ばし首を傾ける。
「おいで、ライラ!」と私。
そこからピョンと彼は膝に飛び乗る。左腕に顎を乗せ、両手を前に突き出し、お腹をつけてベターと甘える。しかし、丸くなって完全に眠ったことはなかった。これは、おもしろいなと思った。家族には時々噛みつくことがあるが、私に対しては噛まない。これは不思議なこと。
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駅伝
昨日、本屋さんに行ったら黒木亮の『冬の喝采』が文庫本になっていた。これは箱根駅伝に出場した著者が、ノンフィクションのように高校時代から大学に進んで箱根を走る日々を細かにえがいたもの。自伝ともよべる。
彼の他の著作はまったく読んでいないが面白かった。お正月に兄弟で集まったとき、神奈川に住む弟に手渡した。弟は小田原に住み、箱根駅伝をよく応援している。
三浦しをんの『風が強く吹いている』も箱根駅伝を扱っている。これは純粋なフィクション。面白い。本を読んだ後、映画化されたものを見た。ゼミ生に陸上をしている学生がいて「私も読みました」と言ってくれた。
先日の日曜日は、高校生ランナーたちが京都路を走っていた。男子がスタートして1時間後、私は静岡の義父の介護リハビリ施設を訪れた。義父は珍しく車椅子に乗りテレビで駅伝を見ていた。驚く。90歳を越えて、若者たちの汗や躍動に心が揺さぶられるなんて凄いなと思った。
テレビは、最後のトラックのデットヒートを映し出している。
また今年も暮れ行く。