スカイトレイン

 バンクーバーの街を走るスカイトレインに乗って大学へ行った。中央の通路をはさんで両脇3人掛けの可愛い電車だ。モノレールのように空中を走る。だからスカイトレインと言うのだろう。運転手はいない。無人の電車。車両の先頭に座席があってそこに座っているとまるで子どもになって電車を運転しているみたい。

 線路は、ビルの間をゆるやかな曲線を描き、右へ左へとカーブする。スピードを少し押さえた遊園地のジェットコースターに乗っている気分。

 駅が近づいてくる。卵を平たくしてような駅舎が見える。プラットホームに滑り込んでいく。これで空に円盤が飛んでいたら宇宙物

の映画の世界に飛び込んだようだ。遠くに雪を抱く山脈が見える。

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 電車は日本のようにぎっしりとは混んでいない。バンクーバーはカナダ第3の都市だというのに…。一番混んだときでも人と人とが軽く触れ合うくらい。人間的でほっとする。

 駅には改札口がない。切符を手にして自由に出入りできる。その切符でバスにも乗れる。

「切符を買わなくても乗れちゃうね」と私。

「ときどき抜き打ちの検査があってね、切符を持っていないと200ドル以上取られるよ」

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 2両連結の大きなバスに乗り換えて、サイモン・フレーザー大学に着いた。岡の上にある大学。山並みが美しい。まだ時間が早く、近くのコーヒー店に入って体を温める。小さなカップでモカを注文。

店の中は学生たちや大学関係者でいっぱい。

 しばらくして通訳のSさんと出会う。

 大学構内をゆっくりと案内してもらいながら教育学部棟へ行く。

 学生たちが建物のあちらこちらで自由に座りながら学習をしている姿と出会う。

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 マーガレット先生と出会い最初のガイダンスを受ける。教員養成システムの独自の取り組みを学ぶのだ。いくつかの質問をすると丁寧に答えてくれた。学生食堂で昼食を共にする。