大学時代の友から

 大学時代の親友、福田君から『啓』88号を送っていただいた。福田君は、『日本演劇教育連盟』の副委員長。そして『演劇と教育』の編集代表だ。

この『啓』は、福田君と緑さんで作る季刊雑誌のようなもの。毎回、毎号、50ページ近くある。教育論や大学での授業、旅行記を始め、緑さんの研究、二人とつながる人々の交流誌となっている。一年に数回の発行だからもう20年を超えているだろう。もしかしたら30年を超えているかもしれない。凄い。

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 今回、緑さんはライフワークとしての『リーメンシュナイダー』を訪ねてドイツへ二ヶ月の旅に出ている。その間、お父様の病気があって心が休まらない。ドイツの旅は、一人で村の教会と連絡をとりながら探し当てる旅。その準備と困難を乗り越えていく過程は、すさまじい。執念と気迫に満ちている。

 福田君は、今回は小学生時代の作文取り上げている。こまやかな事実が少年の目を通して記述され、何人にも変えがたい“時代を確かに生きる”一人の子どもとして具体的な姿を表している。教師の力によって彼の内部に眠るものが引き出されてきた…と彼は書くが。作文や綴り方がこのようにあるとき、一人ひとりの人間の息遣いや個性を浮かびあがる。そして、彼は文章を書くことが好きになっていったのだろう。

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 20歳を迎えた卒業生のIさんから手紙が来た。「成人式の実行委員会の委員をしています。当日は、区役所から招待状がいきますので是非出てください」とのこと。なつかしい。