仕事と散歩
午前中は、仕事。少し疲れてパソコンを開いていると、私の腕をトントンと誰かがつつく。
我が家には、いま誰もいないはずなのに。ドキリとして振り向く。何だ、猫のライラだ。まるで人間みたいに覗き込んでくる。こんなことは初め。びっくりした。遊んでくれというのか、何かを知らせるのか、膝に乗りたいのか。それで、ドッコイショと膝にのせる。
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岩波少年文庫を一冊読み終えて、散歩に出た。まず郵便局で『ひまわり社』に支払いをして、それから葉書を購入。二子まで歩く。伊東屋で文房具を買って、紀伊国屋書店で佐藤春夫の『わんぱく時代』を購入した。講談社文芸文庫だから高い。1600円。この本は、確か若い頃一度読んだ。もう一度読んでみよう。それから用賀の駅まで歩く。坂道を若者が自転車に乗ってすごい勢いで降りていく。
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夕暮れ。自宅前のマンションから保育園が見える。小さな子どもたちが、キャッキャッと言いながら何人も明かりに照らされた園庭を駆け回っている。お家の人の迎えを待つひととき。帰り道、どんな話をするのだろう。母さんや父さんは、仕事の疲れを忘れるだろうか。