教師を押し上げる“感動の歯車”

 生活指導論の講義の終わりに、簡単な感想や意見をかいてもらうのだけれど、楽しい報告もある。そのなかに「教育実習に行って、先生に教えていただいたゲームをしました」そんな感想があって、一人で嬉しくてにやにや笑ってしまった。

 なぜなら、それは前期の学校教育実践演習の授業で3年生のみんなに伝えた遊びだからだ。教室の長机を四方に片付けて広場を作り、学生たちと子どものように1時間遊んだ。アコーディオンも弾きながら…。

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 「9月に教育実習に行ってきました。山崎先生に教えていただいた『ウルトラマンシュワッチ』や『ロンドン橋』をやったりしました。子どもたちは、とてもよろこんでおり、子どもたちとの良い関係づくりにとても役に立ちました。…略…」(Y.H.さん)

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 「教育実習に行って、山崎先生が授業でやってくれた『ごんべさんのあかちゃん』を音楽の授業でやってみました。授業中、先生のことを思い出しつつ、子どもたちと楽しみました。その授業の後から、今まであまり関わりのなかった子が、私に興味を持ってくれて、話しかけてくれるようになりました。その時から、もっと子どもたちと楽しい授業を考えようと、それまで以上に思いました。最後にもらった手紙にも『おもしろい歌、楽しかった』など、たくさんの子がそのときの時間を思い出してくれてとても嬉しかったです。

 生活指導とは関係ないのですが、嬉しかったので伝えたくて書きました」(F.I.さん)

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 うれしいなあと思う。教師も子どもたちも、そして教室全体がキラキラと輝いている、その姿が目に浮かんでくる。

Fさん、ゲームで子どもたちが心を解放し全身で表現するのは、“人間の豊かさ”を刻む『生活指導』と深くつながっています。

それから、あなたは素敵なことを発見をしています。それは、子どもたちの爆発するような喜びの表現と出会ってしまったから、『もっと子どもたちと楽しい授業を考えようとそれまで以上に思いました』と書いていること。

 教師を『もっと高く、もっと高く』とつき上げる力は、この子どもたちと創り出す素敵な時間、素敵な空間、素敵な文化の体験によって、誰にでも生まれてしまうのです。子どもと生きることを励ましてくれる“感動の歯車”が、もうあなたの中に音を立てて回り始めてしまったのです! きっと素晴らしい教師になりますよ。