雨にぬれて

 激しい雨の一日。ジーンズに履き替えてちょっと買い物に行ってきたらズボンの膝下が濡れている。雷が一度だけ鳴った。

 本を休日にたくさん片付けて、机や椅子の回りに少しゆとりができた。谷川俊太郎と山田馨の分厚い対談集『ぼくはこうやって詩を書いてきた―谷川俊太郎、詩と人生を語る』(ナナログ社)を一日読んでいた。4時ごろ読み終えて、少し疲れたので、久しぶりに平原綾香の歌をCDで聴く。

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 谷川俊太郎の詩をひとつ

生まれたよ ぼく

生まれたよ ぼく

やっとここにやってきた

まだ眼は開いてないけど

まだ耳も聞こえないけど

ぼくは知ってる

ここがどんなにすばらしいところか

だから邪魔しないでください

ぼくが笑うのを ぼくが泣くのを

ぼくが誰かを好きになるのを

ぼくが幸せになるのを

いつかぼくが

ここから出て行くときのために

いまからぼくは遺言する

山はいつまでも高くそびえていてほしい

海はいつまでも深くたたえていてほしい

空はいつまでも青く澄んでいてほしい

そして人はここにやってきた日のことを

忘れずにいてほしい

※詩集『子どもたちの遺言』から(田淵章三写真)。昨年出版された。わたしは、この詩を授業に使おうかと思ったけれど…。