クレスコを読む

 全教が発行している『クレスコ』10月号を頂いた。いつもは、書店で購入しているけれど今回は、私の小さな記事が載っているので送って下さった。記事は『若い先生のための相談室』への回答。

 1年生の担任になり希望に燃えていたけれど、学年で実践について『合わせる』ことを求められ、また『学級通信』などは出さないでほしいと言われてしまう。「決められて内容をただこなす」だけの日々、「不満がたまっています」という相談内容だった。

表立った声には出されないけれど、どこの学校でも見られる実践上の小さな齟齬と矛盾…。そのことについての私の考えを記しておきました。関心のある方は、見てください。

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 10月号の特集は『障害のある子どもたちの教育は今』(本物の「インクルーシブ教育」を)。それぞれの論文から教えられることが多かった。その中に若い友人の石垣さんの文章もある。通常学級で様々な課題を持つY君を、クラスの仲間にしていく石垣さんの実践が楽しい。

 「私の息子は、重度の知的障害の自閉症です」と書かれた、保護者のKさんの文章にも胸を打たれた。高等部に入学するのだが、教室に入るまで3日間もかかる。その間、担当の先生からの連絡帳には「困った」と言う言葉は何一つ書かれない。そこに書かれていたのは息子さんの小さな小さな進歩を暖かく感動的に見つめる目。すごいなあと思った。

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 雑誌『教育』10月号の特集Ⅰは『農が子ども・若者を育てる』。

これはゆっくりと読んでいこうと思っている。雑誌を手にして最初に読んだのは佐藤博さんの映画評。今回は『トロッコ』を取り上げている。映画は見ていないのに文章を読むだけで心が暖かくなり、胸が締め付けられる。少年の眼差しとそこに写る風景が、なつかしさや切なさと一緒に浮かんでくる。