9月の学級で
昨夜遅く、座談会の校正・加筆原稿がそろった。これで全員。ほっとする。朝早く起きて、まとめるとすぐ編集部とT先生に送った。雑誌『11月号』の特集は『学力』問題。現場の教師たちの実践に流れる、大切な思いを伝えたいと思って企画した。発売は、ずっと先になるけれど是非、読んでください。
※
運動会の練習に全力で取り組んでいる方もいらっしゃるでしょう。こんなとき、忘れてならないのはもう一つのこと。子どもたちをしなやかに受け止め、彼らの思いを聴き取ること。授業を丁寧に大切に積み重ねることです。
行事への集中はとても大切で、子どもたちを成長させますが、荒々しい指導に陥りがちです。子どもたちの汲み取られない微かな思いを、学級作りの上で大切にしていく必要があります。忘れないで下さいね。屋上に上って、疲れを癒しながら、青い秋の空をながめるくらいな、そんな時間があってもいいのです。
※
みかん畑
つやつやと青いみかんの実がなっている
赤子のような小さなつぶと
子どものような塊と
※
畑に上ると今日は
おお! こんなにもふくらんでいる!
厚くかたい皮に包まれた実
まだ熟さない水の弾力
※
震える手でひとつ
少年は みかんの実をもぎとった
皮をむく
早熟の実の 暴かれた傷跡から
かすかな痛みと切なさが 霧になってふりかかる
※
秋の日が傾き
みかん畑に影が落ちる
かすかにどこからかコオロギの鳴く声がする