9月の学級で

 昨夜遅く、座談会の校正・加筆原稿がそろった。これで全員。ほっとする。朝早く起きて、まとめるとすぐ編集部とT先生に送った。雑誌『11月号』の特集は『学力』問題。現場の教師たちの実践に流れる、大切な思いを伝えたいと思って企画した。発売は、ずっと先になるけれど是非、読んでください。

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 運動会の練習に全力で取り組んでいる方もいらっしゃるでしょう。こんなとき、忘れてならないのはもう一つのこと。子どもたちをしなやかに受け止め、彼らの思いを聴き取ること。授業を丁寧に大切に積み重ねることです。

 行事への集中はとても大切で、子どもたちを成長させますが、荒々しい指導に陥りがちです。子どもたちの汲み取られない微かな思いを、学級作りの上で大切にしていく必要があります。忘れないで下さいね。屋上に上って、疲れを癒しながら、青い秋の空をながめるくらいな、そんな時間があってもいいのです。

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みかん畑

 つやつやと青いみかんの実がなっている

 赤子のような小さなつぶと

 子どものような塊と

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 畑に上ると今日は

 おお! こんなにもふくらんでいる!

 厚くかたい皮に包まれた実

 まだ熟さない水の弾力

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 震える手でひとつ

少年は みかんの実をもぎとった

 皮をむく

 早熟の実の 暴かれた傷跡から

かすかな痛みと切なさが 霧になってふりかかる

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 秋の日が傾き

 みかん畑に影が落ちる

 かすかにどこからかコオロギの鳴く声がする