ちょっと一息

 朝から座談会のまとめに集中。10時を過ぎて終わりが見えてきた。なんだかうれしくなる。でもパソコンと向かい合っていると、肩や目に疲れがたまる。それで、ときどき立ち上がって腕や肩をグルグル回した。

 2時に一息ついて、お昼を買いに出た。相変わらず暑い。

 座談会参加者の方々に「メールを送るぞ」と思ったとき気づいた。「そうだ、まだ小見出しがつけてない」

全文を再読し、小見出しを考え書き込んでいった。

「終わったあ!」

 思わず両手をあげて…、背伸び。

 まだ第一段階なのだけれど、とにかく早く届けないと申し訳ない。

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 あれこれ対応をしていたら5時になった。散歩に出る。郵便ポストを見ると、4年生のM君と6年生のS君からの手紙が。M君は、「そろそろ日本へ帰ります。今、シドニーです。とっても楽しいです」と書いてある。S君は4年生のとき一年間教えた。スポーツマンでリレーの選手。校庭や廊下で出会うと、ときどきパッと背中に飛び乗ってきた。

「学校で出会えないからさみしです。今年の運動会にまた来てください」

そうだ、今年の秋の運動会は、4年生だけでなく、5、6年生の子どもたちの演技も見て応援してあげなくては。そして、最後のリレーも!だ。

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 帰り道、暗くなり始めた西の空に一番星が光っていた。

 マンションのエレベーターに乗ると、Kさんに会う。小さな子を二人連れて。「先生、9月から二学期ですね」「うん、もう小学校は退職したんだよ」「わあ、そうなんだ。そうですよね、うちの母と一緒なんだもの!」「Kさんも2児の親でしょ」

お互いにクスクス笑う。二人の子がくりくりした目で好奇心いっぱいに私の顔を見つめる。K市で教師をしていたとき、となりのクラスにいた女の子。六年生のときこちらに転居してきて、びっくりしたのを覚えている。

夜、卒業生のRさんから電話。もう40歳を越えるというのに、電話の向こうは「先生、お話したいです…」と。その言い方はなんだか教室で6年生のRさんと話しているみたい。“とき”が一瞬にして舞い戻ったかのよう。