朝霞の町で

 26日、一旦家に帰った後、4時過ぎ朝霞に向かった。南武線府中本町で武蔵野線に乗り換えて北朝霞へ。駅が近づいてくると、車窓の風景が気になり始めた。友人の霜村三二さんの活躍している町なんだ。広い空と、ところどころにニョキニョキのびたビル。マンションかな。駅を降りて改札口で辺りをキョロキョロ。

「ええと、確か5時の待ち合わせだったよね」

「おおい、山崎さ~ん」

 来た! 涼しそうなズボンにタオルをひっかけて霜村さん登場…。大日方さんも一緒だ。ひょうひょうと。東武線の電車に乗って朝霞駅へ行く。途中に川が見える。

「あの川が、学年の保護者たちと飲み会した場所?」と私。

「黒目川って言ってね、結構きれいになって今は水遊びもできる」

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 朝霞8小の図書室で『夏の学習会』。霜村さんがみんなの前に立って「ちょっと始まりの前に、みんなで声を出しましょう」。「バナナでぇ!」とやりだした。みんな振り付けを楽しむ。笑い声が会場にあふれる。

 私は最初に語った。

「夏休みが終わり、新学期が近づいてきました。驚きました。みなさんの顔が輝いて何だか元気があふれているんです。日本の多くの教師たちが、8月の終わりをこうした笑顔で迎えられているわけではありません…。さすがだなあと思いました」

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 驚いたことは、他にも! 参加者のみなさんが、組合とか未組合員とか関係なく、若い先生や知り合いの先生に声をかけ誘いあって集まってくる。そんなつながりとスタイルがここでは確立しているのだ。

「K先生が『この本いいよ。是非読んでごらん』と言って貸してくださいました。感動して喫茶店に飛び込んで読みました。次の人に渡さなくてはならず、それで自分で購入しちゃいました。どんな先生か会いたくて今日来て、またお話を聴いて…。後で先生からサインをいただこうと思いました」

 会場は爆笑につつまれる。

若い先生の言葉は、未来を動かすような光の粒になって、口元からこぼれ落ちる。うれしくて温かい気持になった。

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 終わって三人でちょっと飲んで帰る。