「先生、探しました!」

 都留文科大学に行く。午後、研究室に行くと、田中孝彦先生の鞄がある。9日から先生の集中講義が始まっている。

いらっしゃるかな、と思って講義室をのぞく。「今日は、午後からU市に講演に出かけていますよ」とのこと。相変わらず先生は大忙し…。

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前期の成績表を事務局に提出して生協で食事をしようと思ったら、「あれれ…、生協がない!」二階の事務局もない!

どうやら耐震工事をしているらしい。駅前のお店でパンを買ってきて食べる。「今日は、誰も来ないのかなあ」ポツンと一人…。

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鞄を背負って帰ろうとしたらドアが開いた。

「先生、探しました! 心配しました。あえないからあっちこっち探したんです!」

 何だか一年ぶりの再会みたい。感動的。Yさん、Iさん、H君、N君が一斉に叫んだ。

 よく話を聞くと、私を探して教務課に行き、図書館や別室にまで電話をかけてもらったとのこと。

 それから、3年生のゼミ感想集を事務局にコピーに行った。事務局でも言われてしまった。

「山崎先生、ゼミ生たちが先生を探していましたけれど会えましたか」「はい、会えました」

「すごく心配そうにしていましたから…」(あれれ、悪いことをしたなあ)

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 ゼミの感想集小冊子ができた。表紙は9人の似顔絵。それを実際よりずっと若い私が両腕にそっと抱え込んでいる。表題は『山崎先生×ゼミっ子3年生=∞』かっこいい名前だ。でも、中身はもっといい。

 終わってお店に行ってケーキとコーヒーで乾杯。ご苦労様。

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 岩手に帰っているYさんからメール。「お手伝いできなくてごめんなさい。感想集できましたか」「できたよ。かっこいいよ」と返事。

 すると早速またYさんからメール。

「いいなあ。早くみたいです」そして、おまけがついていた。

「先生、いっぱい本を読んでいます。それで、図書館に行くでしょ。私の行くところ行くところに先生の本があるんです。うれしいです…」

 私もうれしい。