夏の光

 新横浜でシュウマイ弁当を買い新幹線に乗った。3時半ごろ袋井へ。街の歩道は、夏の光を強く反射していた。娘がレモン水にモモを入れて待っていてくれた。

 商店街のあちこちのウインドウに、花火大会のポスターが飾られている。隣県に聞こえるような大きな花火大会が毎年実施されていたのだが、去年は不況のせいで中止された。今年はやるという。

 義父は花火を好まない。戦争の思い出が強いようだ。

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 介護リハビリ施設を訪れる。義父は午前中風呂に入れてもらい、午後はリハビリをして部屋のベットに寝ていた。

 眠りをさまたげないように着替えや持ち物の整理をしていると、目を開けてポツポツ話し始める。次第に話は熱を帯び面白い。入所している人々や介護スタッフさんの動きをよく見て観察している。

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 洗濯物を持ってタクシーに乗り袋井の家に帰宅。

帰りの新幹線の車中で『ツバメ号とアマゾン号』(アーサー・ランサム著)を読み終えて解説、神宮輝夫氏と上橋菜穂子氏の文を読む。

神宮輝夫氏の先生が岩田欣三氏で共訳をかつてはしていた。この岩田氏の息子さんが芸術教科の先生をしていてK市で同僚となりお世話になった。鎌倉ハイキングによく誘われ連れて行ってもらった。「これは親父が訳した本だよ」と図書室で教えてもらった。なつかしい。

 上橋氏は研究者であると共に作家。解説の表題は『永遠の夏の光』。

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 明日から釧路へ行く。第49回教育科学研究全国大会・第49回道民教合同研究集会の合同集会。どんな人たちと出会えるだろうか。楽しみだ。釧路では、道徳の授業でとりあげた障害を持つトラ、タイガとココアのいた釧路動物園に行ってこようと思う。(タイガは亡くなっているけれど…)

 自宅のマンションの前の木々で、蝉が激しく鳴き続けていた。ふと足元に動く影を見つけて立ち止まる。蝉が一匹歩道を這っていた。