退職の日
忙しい終了式の一日を終え、机・椅子の大移動まで子どもたちとして、最後に子どもたちにお別れのお話をした。感傷的にならないように簡単に一言二言と思って…。
「先生は、みんなが知っている通り、今日で『先生』を終えます。クラス替えはないから、みんな同じ仲間で4年生になれます。安心してね。4月からは、新しい先生が4年2組の担任になってくれます。君たちが大好きで、応援してくれる先生です…。それは、もう絶対です…。だから、仲良く頑張ってくださいね…」
A子が、涙を流し始めた。
子どもたちが言った。
「先生、運動会なんかは見に来てくれるでしょ」
「ああ、勿論!」「絶対だよ」
「絶対に来るよ。見えないところでそっと見ていて、いたずらをしたり、ふざけていたりしたら、先生が飛び出して、その子を抱っこして、お尻をぺんぺんしてあげましょう」
みんな、大笑い。Y君が言った。
「まず、K君があぶないな!」再びみんな大笑い。
「お尻ペンペンが嫌な人は、『愛のプレゼント』にしようかな」と、私。「ギャア―」
※
「時間が少しあるね。『なかよしいっぱい』を歌おうか。それから『シェーハ!』を10回やろう」
「先生、100回やって!」「それは、無理だよ」
アコーディオンを弾く。歌詞がなくても、子どもたちの声は、グングン大きくなった。3番になると、ワーンと教室が震えるくらい!
『シェーハ』をした。「10回のうち、何回、先生に勝てるかな」
椅子を二つ並べてその上に立ち、私は、スーツを着たままウルトラマンシュワッチのポーズを繰り返した。
さよらなをして、子どもたちと握手した。A子は泣きじゃくる。