小さなうれしさ、いっぱいの日

 小さなうれしさがいっぱいある一日だった。こうしてブログを書くことで、思い出さなかったら忘れ去られるような出来事ばかりだけれど…。

 第一のうれしいこと。国語の時間『モチモチの木』を読んでいた。10人が音読する。よく手の挙がる子どもたちだ。勇気を出して挑戦する子を求めて丁寧にもう一度音読を続けた。すると、UさんやTさんやKさんたちが、ぽっと頬を染めながら手を挙げた。音読だけではない、読み取ったことを仲間の中の発言につなげて何人もが発言した。うれしかった。

 第二にうれしいこと。一学期、授業に集中できなかったM君が、やわらかにしなやかに文を読む。まるで、お話を語り聞かせるように…。聞いている者の心を暖かく包んでいく。

 第三にうれしいこと。このM君が昼休みひとりでリコーダーを口に加え、『ロンドンデリーの歌』を静かに練習しているのだ。練習しているというより、曲を味わっている。素敵だなあと思った。

 第四にうれしいこと。子どもたちはSケンを離れ、いま鬼ごっこに興じている。でもSケンをしたい子もいるから白線を引いてあげる。そしたら、Tさんが一番に待っていて、わたしと敵味方になって闘いを始めたのだ。Tさんは、口数の極端に少ない子。発言など、声も聞き取れないような子だった。その子が、たった一人で私に向かって宝をとりに飛び込んでくる。「キャッ、キャッ」と笑いながら。

 そのうち、幾人かが入れてといってやってきた。

 第五にうれしいこと。六時間目に漢字50問テストをして、時間があまったから屋上に子どもたちを連れていって遊んだ。『ドンジャンケン』『大なわ』。

「気持ちいいなあ」「先生、楽しいね」と子どもたち。15分ほどで教室に帰る。「もう終わっちゃうの。つまんないよ。もっとみんなで遊びたいよう」だって。空からは春が舞い落ちる。

第六は、おまけ。

バドミントンの準決勝で勝利した。私とSさんで組んだチームは負けたけど、他の2チームが勝利して勝った。「なんだかとても幸せな気持ち」と思わず私はみんなとハイタッチした。今度は、大田区の決勝戦だ。また楽しめる。